
チェルヴィニアと「互角以上」の能力秘める可能性も!? イクイノックス厩舎の「2歳女王候補」になり得る逸材が外国人騎手と注目のタッグ

先週4日のファンタジーS(G3)はカルチャーデイが優勝。15番人気の低評価を覆して2戦2勝とした。管理する四位洋文調教師によると、次走は暮れの阪神ジュベナイルF(G1)に駒を進めるとのことだ。
また同日に行われた京王杯2歳S(G2)は、紅一点のコラソンビートが制している。先週開催された両重賞の結果を受けて、今年の2歳牝馬の勢力図がかなり明確になってきたといえるだろう。
アルテミスS(G3)をレースレコードで勝利したチェルヴィニアを筆頭に、同馬を初戦で破ったボンドガール、新潟2歳S(G3)覇者アスコリピチェーノが出走してくれば阪神JFの最有力候補。そこに先述のコラソンビートとカルチャーデイ、重賞2着のサフィラやドナベティなどが続いていくといった感じか。
ただ、もしかするとこの定まりつつある勢力図を一変させてしまうかもしれない馬が11日、京都競馬場で開催されるデイリー杯2歳S(G2)に出走を予定している。
チェルヴィニアと「互角以上」の能力秘める可能性も!?
それがカンティアーモ(牝2歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。
同馬の父は、無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクトと同じエピファネイア。母父はアドマイヤベガで祖母はサクラバクシンオーの全妹という良血である。そんなバックボーンも然ることながら、何よりデビュー戦で見せたパフォーマンスが圧巻だった。
新潟・芝1800mで争われたレース。カンティアーモはやや掛かり加減となり、逃げ馬と並ぶように2番手を追走。逃げた馬が刻んだ1000m通過59秒3のラップは、2歳若駒のデビュー戦とすればかなり速いペースだ。また競り合うように先行していただけに、なかなか息の入れづらい厳しい展開だったともいえるだろう。
最後の直線に入ると一旦は先頭に立ったものの、案の定、早々に外からミッキースターダムに並ばれてしまい、ラスト2ハロンを過ぎると完全に前に出られてしまうシーンもあった。この時点では見ていたファンも完全にミッキースターダムの勝ちパターンだと思ったかもしれない。
だがカンティアーモは鞍上の川田将雅騎手のムチに反応すると、残り1ハロンから盛り返しを見せる。そこから素晴らしい勝負根性を披露してミッキースターダムを差し返すと、最後は3/4馬身差をつけて1着で駆け抜けたのである。
ちなみにカンティアーモと並ぶようにして逃げていたスプリンクルソルトは、直線で失速してシンガリ負け。本来ならカンティアーモも脚を失くしておかしくない展開だったと思われたが、それにもかかわらず驚異的な二枚腰で勝ち切ってみせたのだから見事としかいいようがない。
なお勝ちタイムの1分46秒4は2歳コースレコード。このときの4着馬が後にアイビーS(L)で僅差の2着に入るホウオウプロサンゲなのだから、メンバーレベルも決して低くはなかったといえるだろう。
「カンティアーモがマークしたタイムは、チェルヴィニアが2戦目に同コースで記録した1分46秒9を0秒5も上回っていました。能力的にもひょっとしたらチェルヴィニアと同等のレベルか、あるいはそれ以上の可能性もあるかもしれませんね。管理する木村調教師はイクイノックスを世界最強に育て上げた手腕の持ち主。ハイペースを好位から抜け出す勝ちっぷりも、天皇賞・秋(G1)みたいでしたね」(競馬誌ライター)
ちなみに初戦でカンティアーモの鞍上を務めた川田騎手は、デイリー杯2歳Sで懇意のダノックスが所有するダノンキラウェアに騎乗する予定だが、代役が今週から短期免許で来日する英国トップジョッキーの1人であるT.マーカンド騎手であれば不足はないだろう。
一気に2歳女王候補に躍り出るかもしれないカンティアーモの走りをしかと見届けたい。
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