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勝ったキタサンブラックと負けたゴールドシップ。「有馬記念が引退レース」で勝った馬と勝てなかった馬を分けた三箇条

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勝ったキタサンブラックと負けたゴールドシップ。「有馬記念が引退レース」で勝った馬と勝てなかった馬を分けた三箇条の画像1
タイトルホルダー 撮影:Ruriko.I

有馬記念を勝って引退、負けて引退…その差は?

 今年もこの季節がやってきた。1年を締めくくるグランプリの有馬記念(G1)だ。

 JRAのファン投票で選ばれたドウデュース、スターズオンアース、タイトルホルダー、タスティエーラ、ソールオリエンスなど豪華メンバーが激突する注目の一戦。枠順も決定し、ファンの盛り上がりも最高潮に達しようとしている。

 その中でも一際話題を集めるのは、ここが引退レースとなるタイトルホルダーとウインマリリンであろう。

 一年で最後のビッグレースだけに、この有馬記念を引退レースとして見事勝利を収めた馬は少なくない。古くはオグリキャップやディープインパクトなど、結果を出して有終の美を飾った馬もいれば、当然のことながら結果が出ず残念な引退レースとなった馬もいる。

 では、今年のタイトルホルダーやウインマリリンはどうだろうか。これまでの傾向を見てみると、引退レースの有馬記念を勝利した馬と敗退した馬には共通点があった。それを見極めることで、タイトルホルダーとウインマリリンの取捨選択に役立つはずだ。

 2013年以降の過去10年で、この有馬記念が引退レースだった馬は20頭以上いる(※有馬記念出走前に引退レースであることを公言していた馬のみ。翌年も現役続行後、怪我などで引退し、結果的に有馬記念が最後のレースとなった馬は除く)。

引退レースの有馬記念を「勝った」のは、わずか4頭

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リスグラシュー

 その中で勝利したのは下記の4頭だ。

リスグラシュー  (2019年 1着)
キタサンブラック (2017年 1着)
ジェンティルドンナ(2014年 1着)
オルフェーヴル  (2013年 1着)

 いずれも歴史的な名馬ばかりだが、まずは共通点を見てみよう。勝利した4頭に共通するのは以下の通り。過去の実績とその年の成績、直前の成績が重要といえる。

・牡馬混合で芝2200m以上の国内G1レースを2年以内に勝利
・その年に、国内外を問わず芝2000m以上の牡馬混合G1レースで2着以内に好走
・前走が芝2000m以上の牡馬混合G1レースで4着以内

 意外に緩そうに見える条件だが、有馬記念を勝利できなかった各馬はこの条件をクリアしていなかった。素晴らしい実績を残したゴールドシップやジャスタウェイ、レイデオロ、サトノダイヤモンド、ラッキーライラックであっても、3つの条件を満たせずに敗退している。積み重ねてきた実績、同年の成績、そして前走の内容は、引退レースとして有馬記念を勝利するために不可欠となっている。

引退レースの有馬記念で負けた馬に足りなかったもの

 一方で引退レースとしてチャレンジし、残念ながら敗退したのは以下の馬。

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キセキ

キセキ      (2021年 10着)
クロノジェネシス (2021年 3着)
サラキア     (2020年 2着)
ラッキーライラック(2020年 4着)
レイデオロ    (2019年 7着)
アルアイン    (2019年 11着)
シュヴァルグラン (2019年 6着)
アエロリット   (2019年 14着)
クロコスミア   (2019年 16着)
サトノダイヤモンド(2018年 6着)
スマートレイアー (2018年 13着)
サウンズオブアース(2018年 16着)
クイーンズリング (2017年 2着)
ルージュバック  (2017年 5着)
ミッキークイーン (2017年 11着)
マリアライト   (2016年 10着)
ゴールドシップ  (2015年 8着)
ジャスタウェイ  (2014年 4着)
トーセンラー   (2014年 8着)
ヴィルシーナ   (2014年 14着)

 また勝利ならずとも馬券に絡んだ馬は3頭いるが、すべて牝馬(クロノジェネシス・サラキア・クイーンズリング)。その3頭に関しても下記の2項目がポイントとなる。

・社台グループ(ノーザンファーム・社台ファーム)が生産した5歳牝馬
・エリザベス女王杯を含め、2年以内に芝2200m以上の古馬G1レースで2着以内

 当然のことながら、勝利した同じ牝馬のジェンティルドンナやリスグラシューもこの条件に該当している。勝ち馬の条件には該当しなくとも、この条件に当てはまれば2~3着に好走する可能性を残しているといえよう。

 では、今年の有馬記念が引退レースとなるタイトルホルダーとウインマリリンはどうだろうか。タイトルホルダーは、年内のG1レースで馬券に絡めず、前走も5着と完全に勢いが止まった印象。G1を3勝した実績は讃えつつも、ここで馬券に絡むことは厳しい。印象としては、実績的にもゴールドシップに近い存在といえよう。

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ウインマリリン 撮影:Ruriko.I

 好走歴が多い牝馬のウインマリリンは、5歳ではなく6歳の牝馬で生産者はコスモヴューファーム。今年も4走してすべて4着以下と苦戦しており、G1レースで2着以内の好走実績がない。2022年に香港ヴァーズ(G1)を制した実績馬ではあるが、ここは見送りが賢明だろう。

 以上の状況から、タイトルホルダーとウインマリリンはともに好走条件をクリアしておらず、データ的には好走するのは難しいと出た。

GJ 編集部

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