スワーヴリチャード「大成功」を予感させるレガレイラの優勝…首位陥落の過大評価説も払拭、ブレイクした名種牡馬たちの条件も難なくクリア
圧倒的な勝利を飾ったジャパンC(G1)をラストランに現役を引退し、種牡馬入りが決まったイクイノックスだが、多くのファンから驚きの声が出たのは、初年度からいきなり2000万円に設定された種付け料だ。
まだ産駒が走ってすらいない状況ながら、イクイノックスの活躍でさらに高騰した父キタサンブラックと同額だったことは、種牡馬イクイノックスに対する大きな期待の表れだろう。
それと同じく注目を集めたのは、新種牡馬として産駒がデビューしたばかりのスワーヴリチャードである。
スワーヴリチャードの種付け料1500万円は高過ぎるのか?それとも……
こちらは前年の200万円から一気に7.5倍となる1500万円。無敗の三冠馬コントレイルや既に種牡馬として結果を出しているエピファネイアと同額なのだから、予想以上に強気な設定と感じる声も挙がった。
実際、スワーヴリチャード産駒の活躍は目覚ましいものがあった。6月から始まった2歳世代のレースで徐々に勝ち数を増やし、夏場の快進撃で8月と9月には2歳世代の種牡馬リーディングでトップへと躍り出た。
短距離戦の多い夏場で勝ち数を量産したことも、種牡馬に求められる「仕上がり早」「スピード」という重要な条件を満たしていた。このような実績を基にスワーヴリチャードの評価が急上昇したのは間違いなさそうである。
その一方で秋から冬にかけて産駒の勢いに翳りが見え始めていたことも事実だ。10月に入ってエピファネイアとキズナに抜かれて首位陥落。今年の開催を終えた最終的な結果も2着の数で上回ったドレフォンが3位に浮上し、スワーヴリチャードは4位に終わった。
これには一部のファンから“スワーヴリチャード過大評価説”が囁かれることとなったものの、暮れのホープフルS(G1)をレガレイラが優勝したことで不安を一蹴。生産界のプロが設定した金額に偽りはなかったと証明してみせた。
「近年でもイクイノックスを出したキタサンブラック、ジオグリフを出したドレフォン、デアリングタクトを出したエピファネイアなど、大物種牡馬の名前がズラリ。初年度産駒のG1勝ちによって、スワーヴリチャードは種牡馬としての成功を約束されたようなものでしょう
しかも優勝したのが牝馬限定の阪神ジュベナイルF(G1)ではなく、牡馬相手の中距離G1ですから価値があります。陣営が皐月賞(G1)への挑戦も視野に入れているという話も出ていますし、結果次第で日本ダービー(G1)に向かう選択肢もゼロではなさそうです」(競馬記者)
孝行娘のG1勝ちが父の成功を約束?
そして、レガレイラのG1勝利は1500万円の種付け料に対する割高のイメージすら割安に覆す可能性まである。
というのも、値上げ前に200万円だったスワーヴリチャードに用意された繁殖牝馬の質は必ずしも「トップクラスではなかったはず」だからだ。ただの一発屋ではなく、G1勝ちという最高の結果を残したことにより、これまで以上に良質の牝馬がつけられることは間違いない。
父に対する不安や懸念を払拭し、自身はウオッカ以来となる牝馬のダービー馬すら狙えそうなレガレイラ。イクイノックスやコントレイルら強敵がそろう種牡馬リーディング争いで生き残りを懸けるスワーヴリチャードにとっても、これ以上ない孝行娘が現れたといえるのではないか。
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