「当たりハズレ」が徐々に判明しつつある外国人騎手たち…押し付けられた現場からは悲鳴も…ついには「モレイラやムーアとは違う」と嘆き節
年始から何かと話題になっている5人の外国人騎手たち。現在騎乗しているA.ルメートル、L.モリス、R.キングスコート、R.ピーヒュレク、R.キングら5人の外国人騎手の全員がG1ジョッキーの肩書を持っている。短期免許で日本に来日するからには、それなりの実績を残している腕利きであることは間違いない。
しかし、異国の地で結果を残すためには、いち早く現地のコースやレースの進め方に順応する必要があることも確かである。
自国で好成績を残していたとしても、日本の競馬においてもそのまま信用していいのかとなると話は別だ。結果を残すためには、日本特有の馬場や道中の駆け引きの特徴を掴まなければならないだろう。騎乗馬の質に多少の差があるとはいえ、今年の開催で終了した5日間という短い期間でも、それぞれの成績に差が出始めている。
ルメートル騎手とキング騎手が存在感を発揮したが……
現時点で頭一つ抜け出したのは、【4.3.4.30/41】のルメートル騎手と【3.1.7.14/25】のキング騎手の2人。前者はC.ルメール騎手と同じフランス出身の上に名前も似ていることから、ネットの掲示板やSNSなどで“偽ルメール”と茶化す声も出ていたのだが、人気馬でも穴馬でもコンスタントに好走しているため、「乗れる外国人騎手」としての注目も集まり始めた。
また、キング騎手も積極的に狙ってみたい手腕の持ち主だ。3勝の内訳は1番人気と2番人気ながら、7~9番人気で3着に3度、二桁人気の大穴でも侮れない。8日の中山メイン・カーバンクルS(OP)では、15番人気アビッグチアを3着に導き、3連単の払戻が約48万馬券となる波乱に一役買った。JRAの女性騎手と違って斤量が減量される恩恵がない中での好成績なのだから、性別を越えたその実力は折り紙付きだ。
そんな2人とは対照的に残り3人の外国人騎手は、まだ日本の競馬を手の内に入れられていない様子。先週の開催でようやく初勝利を挙げたピーヒュレク騎手だが、レース後のインタビューに最初はルメール騎手しか祝福の場に駆け付けていなかったらしい。
最終レースでの勝利だったこともあり、既に現場を後にしていた騎手もいたと思われるが、なんとか嶋田純次騎手や石川裕紀人騎手、岩田望来騎手らが加わったことで取り繕えたという。
日本の競馬になじめなかった外国人騎手に現場では辛辣な声も?
「彼に対する日本人騎手の反応がよく分かる場面でしたね。実際、未だにピーヒュレク騎手とキングスコート騎手の区別がついていないジョッキーも多いです。
レース中はライバルとなる彼らだが、まだまだクセの強い中山の小回りに苦戦しているようで、他の騎手から『とにかく乗り方が雑』『隊列の決まったところで無駄に動く』『上手い外国人騎手ならすぐにアジャストしてくれるのに』といった厳しい声も出ているみたいですよ。
挙句には『カタカナなら誰でも上手いと思っている馬主もいるんじゃないか』という愚痴もこぼしていました」(競馬記者)
そんな中、日曜中山4Rの3歳新馬戦で、ひと悶着あったようだ。
このレースでは、先行争いの収まった3番手で落ち着こうとしたセイウンパイオニアだったが、1コーナー過ぎにヴァイザーブリックが内から馬体をぶつけながら入るシーン。隊列が決まった後の動くタイミングではなかったはずだが、砂を被るのを避けたのか抑えられなかったのか分からない強引な進路取りだった。
さらには最終コーナーを綺麗に曲がれないまま、外を並走していたセイウンパイオニアとラフォンターナを外に弾き飛ばす始末。それぞれ4着、5着、6着に敗れたが、スムーズなら3着はあったかもしれないと思える不利だった。
「これにはセイウンパイオニアに騎乗していた江田照男騎手も『あんなことをされたら競馬にならない』と憤慨していたとのこと。当事者のキングスコート騎手は、土曜中山で1番人気ダノンティンパニーに騎乗していましたが、スタートで出遅れただけでなく直線で前が詰まって馬券圏外に飛ばしたばかり。劇的な改善でも見られない限り、このまま鳴かず飛ばずということもありそうです」(同)
また、外国人騎手の騎乗で頭を抱えているのは、彼らに騎乗馬を用意する調教師や厩舎関係者も同じという話だ。
「各人には身元引受調教師がいるものの、言ってしまえばノーザンファームによる鶴の一声で決められただけともっぱらの噂。J.モレイラ騎手やR.ムーア騎手、W.ビュイック騎手など、既に日本で実績のある超一流の騎手なら喜んで受け入れますが、今回のような未知数の外国人だと扱いに困ってしまうという悲鳴も聞かれました」(別の記者)
ルメートル騎手とキング騎手は当たりといってよさそうだが、残りの騎手は今のところ“ハズレ枠”の評価が濃厚。各陣営としても引き受けた以上は最低限の騎乗馬は用意しなければならないし、かといって期待している馬で中途半端に乗られても困ると頭を抱えているらしい。
ところが、残された短期免許の期間はまだ1ヶ月以上。関係者の嘆き節は、もうしばらく続くことになりそうだ。
PICK UP
Ranking
23:30更新- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- ジャパンCはノーザンファームに逆らうな?武豊×ドウデュース、ルメール×チェルヴィニア、さらに社台グループの意外な隠し玉が出走?
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
関連記事
今村聖奈&角田大河が合計「48戦0勝」のスロースタート…何かと話題「3年目騎手」で“G1制覇”に最も近いのはアノ2世ジョッキー!?
まだまだ「見限れない」ミックファイアに新たな選択肢、前走大敗からのリベンジマッチは国内か海外か…注目集まる無敗の三冠馬の次走
メイショウドトウ|’01 宝塚記念を制した「不屈の挑戦者」は、牧場猫・メトとの名コンビでメディアを席巻中!
「海外も視野」名門・社台ファームが将来性を評価! 昨年話題を集めた新種牡馬の産駒「真打ち」が武豊鞍上でいよいよデビュー
ヴィクティファルス「兄弟タッグ」で2度目の重賞制覇なるか…ウシュバテソーロ、ジュンライトボルトがブレイクした最近のトレンドも後押し