【根岸S】エンペラーワケア、サンライズフレイムに不安ありあり? 昨年はレモンポップが本番を制するも…「最適距離」の穴馬に勝算十分!
28日の東京競馬場では、1着馬にフェブラリーS(G1)の優先出走権が付与される根岸S(G3)が行われる。昨年は本レースを快勝したレモンポップが、フェブラリーSとチャンピオンズC(G1)を勝利。2023年度の最優秀ダート馬に選出された。今年の優勝馬もこのレースをステップに世界へと羽ばたけるだろうか。
25日現在、『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると、前走の御影S(3勝クラス・ダート1400m)を圧勝したエンペラーワケアが1番人気。2番人気に4連勝中のサンライズフレイム、少し離れた3番人気にタガノビューティーが続き、4番手以降は混戦ムードとなっている。はたして、人気の3頭で順当な決着となるだろうか。
やはり気になるのは、先述の上位人気馬たちがイクイノックスやリバティアイランドのような絶対的な主役と言い切れないことだろう。ここまでの戦歴を振り返ってみても、人気を鵜呑みにしてしまうには、危なっかしいところもありそうだ。
まず、川田将雅騎手とのコンビで人気に拍車の掛かるエンペラーワケアだが、底を見せたことがないと言い切れない点は懸念材料である。
というのも、3走前に敗れた2勝クラスの2着が完敗だった。ダート1400m戦を果敢に逃げ、押し切りを狙ったものの、すぐ後ろを追走していたヘンリーに交わされると、3馬身も離されてしまった。勝ち馬のヘンリーは、その後レースに出走をしていないが、2走前にユニコーンS(G3)で7着に敗れていた相手だった。
また、エンペラーワケアの勝った御影Sの勝ちタイム1分23秒4(稍重)にしても、昨年12月の阪神開催で、そこまで抜けていたとはいえない。川田人気で過大評価となるようなら、疑ってみる価値はありそうだ。
人気のエンペラーワケアとサンライズフレイムに不安材料
対抗格のサンライズフレイムは、藤岡康太騎手とのコンビで4連勝中。トップジョッキーとはいえないパートナーで快進撃を続けていることは評価できるが、6戦5勝のダートで唯一敗戦を喫したレースは、名手D.レーン騎手が騎乗して3着だった。
ちなみにこのレースの勝ち馬は、戸崎圭太騎手が騎乗を予定しているパライバトルマリン(牝4、美浦・林徹厩舎)。今回の根岸Sにも出走するライバルに約2馬身半差で完敗していたのだ。
そこでひとつ注目したいのは、ブライアンセンスが両馬の物差しとして参考になりそうなこと。サンライズフレイムが敗れた相手のパライバトルマリンをハナ差まで追い詰めた2着馬が本馬であり、ブライアンセンスはヘンリーとも対戦経験があった。
先述したヘンリーが7着に敗れたユニコーンSで3着に入っていたのが、このブライアンセンス。同馬は先週の東海S(G2)で4着に健闘していたように、ダートの中距離で頭角を現しているホープ的な存在でもある。
単純に対戦成績を参考にした場合、ブライアンセンスの能力が間接的にエンペラーワケアやサンライズフレイムを上回っていたという見方も可能な訳だ。この比較に誤差があるとしたら、その後の成長を考慮していない点と距離がダート1600m戦という点か。
とはいえ、物差しとなったブライアンセンスを破っているパライバトルマリンの評価が下がる訳でもない。仮にエンペラーワケア<ヘンリー<サンライズフレイム<ブライアンセンス<パライバトルマリンと考えれば、配当的な妙味はこちらに分があるはず。
近走は中距離に使われているが、本馬は陣営も「前進気勢が強い」、過去に騎乗したC.ルメール騎手も「1600mより1400mが良さそう」と評していたのだから、1400mが条件となる根岸Sはむしろ最適の舞台設定となる。逃げる競馬でブライアンセンスを破った1600m戦のラスト1ハロンは13秒0。勝ちタイム1分36秒7(良)から引くと、1400mなら1分23秒7で走れた計算だ。
24日の追い切りでも美浦Wで5F70秒0ーラスト1F11秒7の好タイムをマーク。併せた相手を1馬身半追走して1馬身先着を決めて好調をアピールした。一気の距離短縮で折り合いを気にすることなく走れるここは、十分に能力を発揮できるかもしれない。
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