「スタートを切っているようです」今でも語り草の“伝説”を生んだ「あのレース」が16年ぶり復活!「大阪杯並みに楽しみ」一部ファンも歓喜の声
「どうやら、スタートを切っているようです」
このフレーズを聞いただけでピンときた、コアなファンもいるだろう。競馬実況としては前代未聞ともいえる台詞が飛び出たのは、1996年2月に開催されたバイオレットS(OP)だ。
実況があいまいな言葉を口にしたのも無理はない。レースが行われた京都競馬場のこの日の天候は雪。カメラの映像は真っ白となり、ダート1400mのスタート地点となる向正面はまったく確認できない状況の中、ゲートが開かれたのである。
その後も「20秒近くが経過しますので、おそらく向正面の中間あたりかと思われます」「3コーナーの手前あたりに来ているようですが、影だけで確認できません」といった、それまで耳にしたことのない珍フレーズが連発。競馬場で観戦していたファンもその状況にどよめく事態となった。
最後の直線に入ったところでようやく視界が少しひらけて馬群が確認できるようになり、実況も正常なものに戻った。ちなみにこのレースで勝利したのは、今は調教師として活躍している上村洋行元騎手が騎乗したナムラホームズだった。
「私も当時、中継を見ていましたが雪の影響で本当に画面が真っ白。実況を担当したアナウンサーもさぞかし大変だったことでしょう(笑)。開催からすでに30年近くが経ちましたが、今でもファンの間で“伝説のバイオレットS”として語り草となっています」(競馬誌ライター)
この年から京都ダート1400mを舞台として毎年1~2月に開催されていたバイオレットSは、その後もNHKマイルC(G1)3着のスギノキューティーや重賞ウイナーのインタータイヨウ、デビュー5連勝で兵庫チャンピオンシップ(G2)を勝ったドンクールといった個性派を輩出。ただシルクビッグタイムが勝った2008年を最後に実施されていなかった。
そんな過去には伝説も生んだバイオレットSが31日、阪神ダート1400mを舞台として実に16年ぶりに復活を果たす。
「大阪杯並みに楽しみ」16年ぶり復活に一部ファンも歓喜
今年は3歳ダート三冠競走が新設されるなど、中央・地方双方によるダート路線の大改革が行われたことは周知の通り。その一環でこれまで1870mだった兵庫CSが1400mに短縮となり、その前哨戦的な位置づけでめでたく復活となったのかもしれない。
なにはともあれ16年ぶりにバイオレットSの開催が決まったことで、SNSやネットの掲示板では一部のファンから「バイオレットS復活すんの!?やったー!」「個人的には大阪杯(G1)並みに楽しみ」「ナムラホームズの勝利から28年も経っていたのか」「今年はちゃんと見えるだろうな」といった歓喜の声が上がっている。
ちなみに今年の同レースには、前走で1勝クラスを快勝したラヴオントップ、ロードフォアエース、ネモフィラ賞(1勝クラス)勝ち馬エートラックスなど、12頭がエントリーしてきた。
そこまで頭数は多くないものの『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは10倍以下に5頭がひしめく混戦模様である。伝説となった雪のバイオレットSから28年、今年は熱い一戦として先々まで語り継がれることに期待だ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- ジャパンCはノーザンファームに逆らうな?武豊×ドウデュース、ルメール×チェルヴィニア、さらに社台グループの意外な隠し玉が出走?
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
関連記事
【ドバイゴールデンシャヒーン(G1)展望】「1年越し」リベンジかかるリメイク!兵庫の雄イグナイター、巨漢ドンフランキーらも虎視眈々
【ドバイターフ(G1)展望】武豊×ドウデュース「凱旋門賞制覇の夢」に向けて仕切り直し!ロードノースの4連覇を阻んで“夢”実現へ
「G1馬5頭」でも盛り上がりを欠く今年の大阪杯…ドウデュース、リバティアイランド登場も国内は閑古鳥…いよいよ「最弱世代」疑惑は確信レベル?
兄はステイゴールド!スイープトウショウも完封したあの馬は、“みんなの”お母さんに!
田辺裕信「痛恨ミス」に降板を期待する声も浮上?超大物馬主が「何やってんだよー」のご立腹…一石投じたファンとのやり取りに注目集まる