【ドバイゴールデンシャヒーン(G1)展望】「1年越し」リベンジかかるリメイク!兵庫の雄イグナイター、巨漢ドンフランキーらも虎視眈々
30日、ドバイのメイダン競馬場ではドバイワールドカップデーが開催される。4つあるG1レースの中で最初に行われるのが、ダート1200mで争われるドバイゴールデンシャヒーン(G1)だ。
今年の出走各馬のレーティングを見ると、トップは115で4頭が横並び。続く114が2頭と拮抗している。抜けた馬が不在の大混戦といえるだろう。そんな中で日本から参戦するリメイクが最右翼と呼べるかもしれない。
これまで短距離ダート重賞を4勝しているリメイク(牡5歳、栗東・新谷功一厩舎)。その内訳は中央と地方で1勝ずつ、海外で2勝と、場所や馬場を問わないタイプである。昨年2月には福永祐一騎手(現調教師)とのコンビでリヤドダートスプリント(G3)に挑むも3着。続くドバイGSでは武豊騎手に乗り替わって5着と外国馬を相手に悔しい思いをした。
しかし、海外経験も糧にその後は5戦連続で連対中。3走前のコリアスプリント(G3)を4馬身差で圧勝すると、前走のリヤドダートスプリントで1馬身半差の勝利を飾り、見事に前年の雪辱を果たした。
管理する新谷調教師は「昨年の悔しさから、どうしたら勝てるかをスタッフと試行錯誤してきました。リメイクの力を出すことが出来れば差し切れると思っていました」と1年越しのリベンジを振り返っている。
今年は通算4戦4連対と好相性でもある川田将雅騎手とのコンビで、前走に続き再び中東の地でリベンジを果たすことになるのか。絶対的な存在がいない今年は絶好のチャンスだ。
そのリメイクを昨年11月のJBCスプリント(G1)で2着に下したのがイグナイター(牡6歳、兵庫・新子雅司厩舎)である。
2022~23年にNARの年度代表馬に輝いた兵庫の雄は、昨年春にさきたま杯(G2)、園田チャレンジCを連勝。休み明けの南部杯(G1)はレモンポップの2着に敗れたが、距離短縮で臨んだJBCスプリントで中央馬を相手に悲願のG1初制覇を達成した。
今年はフェブラリーS(G1)で始動したが、中央馬相手の1600m戦ではやはり分が悪かったか。2番手の好位追走から見せ場はつくったものの、ハイペースにも巻き込まれて11着に敗退。ただ再び距離短縮となる今回は易々と引き下がるわけにはいかないだろう。
前走は西村淳也騎手が手綱を取ったが、今回は主戦の笹川翼騎手に戻して臨む。うまく流れに乗ることができれば、世界をアッと驚かせてもおかしくない。
初速ならドンフランキー(牡5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)も負けていない。
ここまで短距離を中心にダートで「7-2-0-3」の好成績を残している快速馬だ。12戦中10戦でハナを切っており、6勝2着2回という高い確率で連対している。ダートの短距離に専念するようになってから本格化し、昨年7月のプロキオンS(G3)で重賞初制覇。クラスターC(G3)2着を挟んで、東京盃(G2)にも勝利している。
その後は骨折休養していたが、フェブラリーSで実戦復帰。スピードの違いで前半3ハロン33秒9の乱ペースを演出すると、最後の直線で失速したが、それでも勝ったペプチドナイルから0秒9差の9着と最後まで踏ん張っていた。
600kgに迫る巨漢でもたびたび話題になる個性派が、2年3か月ぶりとなるC.デムーロ騎手とのコンビで逃げ切りVを狙う。
4頭目の日本馬ケイアイドリー(牡7歳、栗東・村山明厩舎)は実績的にやや劣るものの、初海外遠征となった前走のリヤドダートスプリントで6着に善戦している。
昨夏の北海道スプリントC(G3)で重賞初制覇を飾り、その後の兵庫ゴールドT(G3)で2着するなど好走が目立つのは地方のタフな馬場。1分10~11秒台の時計を要する決着なら上位に顔を出してもおかしくないだろう。何よりC.ルメール騎手の騎乗が心強い。
海外馬の中では、昨年11月のブリーダーズCスプリント(G1)で3着に入ったナカトミ(セ5歳、米国・W.ウォード厩舎)と、昨年の当レース覇者シベリウス(セ6歳、米国・J.オドワイヤー厩舎)の2頭が有力視されている。
両者ともレーティングはリメイクらと並ぶ115でメンバートップ。前者は勝ち味には遅いものの、キャリア16戦中15戦が4着以内という堅実派で、後者は一時期不振に陥っていたが昨年末から2連勝と息を吹き返している。
当レースがG1に昇格した2002年以降、日本からはのべ21頭が挑戦しているがいまだ勝ち馬は誕生していない。リメイクを筆頭に今年のメンバーなら悲願達成も決して夢ではないだろう。中東の地で迎えるダートのスプリント決戦は、現地時間30日18時25分(日本時間同日23時25分)に発走を迎える。
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