GJ > コラムニュース > ヴィルシーナ「等身大」で掴んだ栄冠  > 2ページ目
NEW

ライバル・ジェンティルドンナが高みに昇るほど、独り歩きしたヴィルシーナの「評価」と「期待」。そして、失うもののない「等身大」の強みで掴み獲った栄冠


 そうして迎えた、第8回のヴィクトリアマイル(G1)。ジェンティルドンナが不在の中、ヴィルシーナはまだ1番人気だったが、エリザベス女王杯で1.9倍だった単勝は3.1倍まで下降していた。2番人気のハナズゴールが差のない4.4倍。

 皆がもう「ヴィルシーナは、ジェンティルドンナのような絶対的な存在でない」と考えていることが反映された、まさに混戦模様のオッズだった。

 そんな中で、いわば”失うものがなくなった”ヴィルシーナは、抜群のスタートから果敢に前に行った。

 先頭こそハナを主張したアイムユアーズに譲ったが、道中は2番手をキープ。これまで好位から安定した末脚を発揮していたヴィルシーナは、いつも以上に積極果敢に前に出た。

 前半の3ハロン「34.6秒」は、これまでヴィルシーナが経験したどのレースよりも速かったが、内田騎手は「この積極策こそが、ヴィルシーナの力を最も引き出せる」と信じて、腹を括っていたのかもしれない。

 最後の直線に入り、スパートを試みたヴィルシーナだったが、その手応えは決して十分なものではなかった。追い出しを我慢していたわけではなく、内田騎手は激しく手綱をしごき、ムチまで入れているが、前にいたアイムユアーズさえ交わせない。

 さらに、直後にいたマイネイサベルにあっさり前に出られた瞬間は、大敗まで意識せざるを得ないものだった。

 内田騎手の激しい激にヴィルシーナの眠っていた闘争心が目を覚ましたのは、ラスト200mを切ってから。昨年のヴィクトリアマイルの覇者ホエールキャプチャが、すぐ背後に迫ってきた時だった。

 内田騎手の右ムチの連打に応えるように、本来の走りを取り戻したヴィルシーナは一瞬にして先頭にいたマイネイサベルに並び掛け、ホエールキャプチャの猛追に対しても秋華賞でジェンティルドンナに抗った時のような、驚異的な粘りを見せる。

 3頭の叩き合いをハナ差凌ぎ切ったところが、ヴィルシーナが惜敗記録に終止符を打つ栄光のゴールだった。

「あの時は、まさに皆が『ヴィルシーナに勝利を』という思いで一つになっていたような気がします。そして、ヴィルシーナもそうした皆の気持ちに応えてくれたんだと思いますね」

 内田騎手は2013年のヴィクトリアマイルを振り返り、そうコメントしている。歴史的な最強牝馬ジェンティルドンナの評価が高みに昇れば上るほど、勝手に独り歩きしていたヴィルシーナ自身に対する評価と期待。大阪杯で粉々に砕け散った”幻想”は、彼女の評価を貶めた代わりに、失うもののない「等身大」の強みをもたらした。

『生まれた時代が悪かった』

 そう言ってしまうのは簡単だ。だが、そこから始まる”身の丈の合った世界”で、どう自分を見つめ直し、どう磨いていくのか。その大切さをヴィルシーナと内田騎手は知っていたのかもしれない。

ライバル・ジェンティルドンナが高みに昇るほど、独り歩きしたヴィルシーナの「評価」と「期待」。そして、失うもののない「等身大」の強みで掴み獲った栄冠のページです。GJは、コラム、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

5:30更新
  • 総合
  1. 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を
  2. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  3. JRAまさかの落選……顕彰馬になれなかったスペシャルウィークのなぜ? 残された候補馬18頭の今後は
  4. 小林剛×多井隆晴が新設『Mリーグ』を語り尽くす! 何故「コバゴーは勝てるのか」麻雀のセオリーを覆す「正論」に驚愕!?
  5. JRA横山典弘「ポツン」について激白!「俺のポツンがあまり好まれていないことはわかってる」知られざる「2つ」のポツンと、それでも続ける理由とは
  6. 武豊「爆弾発言」にインタビュアーもタジタジ、今村聖奈ら「6人騎乗停止」で蒸し返されたアンラッキーな被害者
  7. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
  8. 「助手席に誰も乗っていない」「同乗者は制止不可能だった」謎多きJRAの説明…憶測飛び交う角田大河の函館コース侵入
  9. 武豊が社台に干された「曰く付き」阪神JF……”引退説”が囁かれた大スランプの原因「ダンスファンタジア事件」とは
  10. 武豊が「告白」キタサンブラックによる宝塚記念(G1)の歴史的大敗劇で「何」があったのか……騒動が去った今だからこそ語られた「真相」<1>