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「英断?」それとも「見切り発車?」問題山積の中、JRAが『ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ』を急設した「表側の理由」と「裏側の理由」【前編】

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 まるで日米のトップ会談だけで決定したような、電撃発表だった。

 日本中央競馬会(JRA)は13日、米国のケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ『JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY』を創設したと発表した。

 同シリーズは、11月のカトレア賞(500万下)と来年2月のヒヤシンスS(OP)の2レースの1~4着馬にポイントを付与し、合計ポイント最上位馬がケンタッキーダービーに出走可能となるものだ。

 ちなみにカトレア賞では「1着40p、2着16p、3着8p、4着4p」が付与され、ヒヤシンスSでは「1着50p、2着20p、3着10p、4着5p」が付与される。また、複数の馬が同点で並んだ場合は特別競走での獲得賞金順となる。

 これを受けケンタッキーダービーの運営を取り仕切るチャーチルダウンズ社のビル・マッド最高業務執行責任者は「日本馬がケンタッキーダービーに出走可能となる新たなシリーズをスタートさせることをとても嬉しく思っております」とコメント。

 対するJRAの後藤正幸理事長は「レース当日、馬場入場の際に響き渡る『My Old Kentucky Home』が日本にも届くことを心から誇らしく思うと同時に、来年は、私もミントジュレップ片手に日本馬の関係者と多くの観客とともにチャーチルダウンズ競馬場で高らかに歌いたいと願っております」と、すでにノリノリである。

 それにしても、あまりにも突発的な発表だった。それも、わずか2カ月後の11月26日のカトレア賞から、いきなりポイントシリーズをスタートさせるとあって、寝耳に水だった関係者も多いようだ。

 各メディアは、一様に「今春のUAEダービー(G2)を制してケンタッキーダービーの出走権を掴み、米国三冠をフル参戦したラニが道を切り開いた」と報道しているが、そんなものはただのわかりやすい”標識”であり、あくまで「表側の理由」だ。

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