
JRA福永祐一「政治力」に称賛の声! 「ドバイ遠征中止」もタワーオブロンドン確保、ライバル騎手に差をつけた情報収集力
3月29日、日曜中京メインレースは春のスプリント王決定戦・高松宮記念(G1)が行われた。タワーオブロンドン(牡5、美浦・藤沢和雄厩舎)は当初、L.ヒューイットソン騎手が予定されていた。
だが、福永祐一騎手がドバイ遠征を中止したことで急遽、同騎手への乗り替わりとなった。レースでは、昨年のスプリンターズS(G1)優勝が評価され、1番人気に支持されるも12着に敗れた。
この突然ともいえる「乗り替わり劇」の裏事情とはどのようなものだったのだろうか。
当時、ドバイ国際競走については様々な憶測が飛び交っていた。
少し前にJ.モレイラ騎手がドバイの遠征を取りやめた理由とされたのが、香港競馬を主催する香港ジョッキークラブによる競馬場入場禁止の規定だった。香港外から帰国すると14日間の検疫を受けることとなり、ドバイで騎乗した場合、帰国後の騎乗に支障が生じることを回避しての決断となった。
福永騎手サイドには、日本でも同様の決定が下されるのではないかという話が耳に入っていたようだ。
その危惧は現実のものとなり、JRAはドバイから帰国したC.ルメール騎手、古川吉洋騎手に対し、14日間の隔離を要請している。仮に福永騎手以外にも、武豊騎手や川田将雅騎手が遠征していたら、さらに大きな影響があっただろう。
「ドバイで騎乗予定だったミスターメロディが桜花賞(G1)で騎乗予定のミヤマザクラと同じ藤原英昭厩舎の管理馬だったことも大きかったです。これからはじまる春のG1を見据えた結果、リスクの大きいドバイ遠征を諦めたようです。
帰国した騎手が現実に隔離となったわけですから、まさに福永騎手の政治力というか、機転が功を奏したといえるでしょう」(競馬記者)
また、福永騎手といえば大阪杯(G1)はワグネリアン、桜花賞はミヤマザクラがお手馬にいる。もしドバイで騎乗していた場合、2週間隔離されるため、これらに乗れなくなる可能性があった。そして、その先の皐月賞(G1)では本命視されているコントレイルが控えていた。
結果的にタワーオブロンドンで敗れはしたが、春のG1シーズンを見据えると、今回の選択は非常に大きな効果があったのではないか。他の騎手に先駆けて情報戦を制した福永騎手は「先見の明」もG1級だったといえるかもしれない。
これからまだ続く春のG1シリーズでも情報戦のみならず、レースでも勝負勘がますます冴え渡るか。
その手綱さばきに大いに注目だ。
PICK UP
Ranking
17:30更新東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA歴代1位「19万人」の歓声響いたアイネスフウジン! 今年は7万人が入場可能の日本ダービー(G1)、ウマ娘実装であの感動をもう一度
- 日本ダービー「30年ぶり」落馬の坂井瑠星に吉兆サイン!? ドゥラエレーデは宝塚記念(G1)を視野…ダービージョッキー予感させる偉大な先輩の足跡
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- JRA北村友一、横山一家と「全面戦争」勃発か…浦島状態がもたらした「立ち位置」の変化と大き過ぎた代償