JRA「日本レコード」「史上最短」も、体質の弱さに泣いたトーホウジャッカル……。初年度産駒がお馴染みの厩舎からデビュー! スペシャルウィークの血脈が騒ぐ
今年の新種牡馬として大きな注目を集めているドゥラメンテとモーリス。初年度の交配数はそれぞれ284頭、265頭ということからも、期待の大きさが窺える。
その一方で、同じく初年度産駒がデビューするトーホウジャッカルの交配数はわずか11頭。血統登録頭数では9頭しかおらず、稀有な存在となりそうだ。
21日、阪神5R芝1600mの新馬戦にトーホウスザク(牡2歳、栗東・谷潔厩舎)が出走する。この馬が希少なトーホウジャッカルの初年度産駒である。
父トーホウジャッカルは東日本大震災が発生した2011年3月11日生まれ。2歳時には腸炎を発症し体重が50キロ近く減少し、生死の境をさまよった。一時はデビューすら危ぶまれたが、無事に回復し3歳の3月末にトレセンに入厩し、5月末にようやくデビューを果たす。
3戦目で初勝利を挙げるとその後は順調に結果を出して、神戸新聞杯(G2)で3着に入り菊花賞(G1)の切符を獲得。その菊花賞をデビューから149日の史上最短記録で制し、さらに勝ちタイムの3分1秒0は、未だに破られていない芝3000mの日本レコードである。まさに新星の誕生を印象付ける内容だった。
だが、その後はケガとの戦いに苦しみ、思うような結果を出せず、右前脚に屈腱炎を発症して引退。トーホウジャッカルの半生は激動の連続だった。
そんなトーホウジャッカルの仔であるトーホウスザクは、血統表にトーホウの名がずらりと並ぶ東豊物産ゆかりの血統。また、入厩先は父を管理した谷厩舎で、まさにトーホウジャッカルファンにはたまらない馬である。
18日、トーホウスザクは栗東坂路コースで4ハロン51秒4、ラスト12秒7の好時計をマーク。デビュー戦に向けて万全の仕上がりだ。
「ジャッカルは底知れない能力のある馬だったけど、いかんせん体が弱かった。使いたいレースも使えなかったし、いろいろやり残したことがある。スザクは幸い脚元も丈夫そうだし、ジャッカルでかなえられなかった夢も一緒に追っていけたら」
詳細は本記事を確認いただきたいのだが、『東スポ』の取材に谷調教師が上記のようにコメントしている。是非とも親子で夢を叶えてほしいものだ。
さらに、2018年4月に他界した祖父にあたるスペシャルウィークの血脈を残すという仕事もある。
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