
JRA好調「レッド軍団」が抱える頭痛の種とは!? レッドアネモスに続きレッドアンシェルが重賞制覇も……
23日(日)に小倉競馬場で開催された北九州記念(G3)。福永祐一騎手の好騎乗もあって、8番人気のレッドアンシェルが昨年のCBC賞(G3)に続く重賞2勝目を飾った。
同馬を所有する東京サラブレッドクラブ(以下、東京TC)は、3週前のクイーンS(G3)をレッドアネモスで制しており、8月で2度の重賞制覇と勢いに乗っている。
「レッド」の冠名で知られる東京TC。過去にはレッドディザイア、レッドリヴェール、レッドファルクスという3頭の平地G1馬を出している。しかし一口馬主クラブとしてのセールスポイントは、勝ち上がる馬の多さだ。
一口馬主の出資者ならお分かりいただけると思うが、出資馬が無事にデビューし、1勝することは簡単なことではない。クラブにとって勝ち上がり率の高さは非常に重要な要素になるが、東京TCはこの部門で非常に優秀なのである。
「東京TCは、ノーザンファーム生産馬も多いのですが、社台ファームほか、坂東牧場など多彩なラインアップが特長の一つです。近年はレッドファルクスなどのG1馬も輩出していますが、バイヤー系クラブの中で、その勝ち上がり率は突出しています。その率はサンデー、キャロット、シルクのノーザンクラブ御三家に匹敵するほどです」(競馬誌ライター)
実際に4歳から6歳の3世代を見ても、東京TCの勝ち上がり率の高さがよく分かる。
【主なクラブの勝ち上がり率、現4~6歳】
・サンデーTC 60.2%
・キャロットC 55.5%
・シルクHC 57.0%
・東京TC 58.5%
東京TCの4~6歳の勝ち上がり率は、キャロットCとシルクHCを上回り、サンデーTCにも肉薄する高さを誇る。ノーザンファーム以外で生産された馬の数もそれなりに多いことを考えると、かなり優秀と言っていいだろう。現役馬にG1を勝った馬はいないが、6歳にレッドアンシェル、4歳にレッドジェニアルとレッドアネモスという3頭の重賞馬がいる。5歳世代から重賞馬は出ていないが、引退した馬も含めて6頭が4勝以上するなど、現5歳は一口クラブとしての“当たり”は多い世代だった。
その一方で、やや苦戦しているのが3歳世代だ。この世代のエース格は、昨秋のデイリー杯2歳S(G2)を制したレッドベルジュールだが、ノド鳴りを発症し、春のクラシックを棒に振った。秋競馬での復帰を目指して今月栗東に入厩したばかりだったが、その矢先に骨折が判明。復帰プランは白紙となった。まだ未勝利戦は残っているが、3歳世代の勝ち上がり率は現時点で41.4%。2勝馬もレッドベルジュールとレッドライデンの2頭だけと苦しんでいる。
そして3歳世代以上に東京TCが頭を抱えているのが2歳世代だ。現時点で7頭がデビュー。8戦して「0-3-2-3」という成績を残している。高い確率で馬券には絡んでいるが、いまだ勝利はなく、8戦のうち4戦で1番人気を裏切っている。
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