JRA菊花賞(G1)コントレイル逆転の穴馬候補!? 全出走馬の血統・実績から浮上した3000mがプラスになる馬は?
■ガロアクリーク
父:キンシャサノキセキ
母:ゴールドレリック
母の父:Kingmambo
父キンシャサノキセキは芝1200mの高松宮記念連覇。1600mを超える距離での出走経験がないが、産駒は芝2400~2600mで【3.1.3.25】と勝率9.3%は悪くない。ただしその距離での勝利はウインブルーローズ一頭のみのもので、しかも2勝クラスまでの成績。オープンクラスでの勝利はなく、やはり適距離とはいいがたい。母ゴールドレリック産駒に目立った活躍馬はなく、KingmamboはJRAの芝2500m以上で34戦1勝と勝率は2.9%。ただし母の父としてはスズカマンボが天皇賞(春)を勝利している。本質的にはMr.Prospector産駒で距離延長はマイナス。スプリングSを勝った時の鞍上ヒューイットソン騎手は「距離は2000mくらいが限界かも」と語っており、今回の条件は厳しいといえるだろう。
■ビターエンダー
父:オルフェーヴル
母:ビタースウィート
母の父:Afleet Alex
父オルフェーヴルはステイゴールド産駒で三冠馬。菊花賞では3分2秒8でレコードタイムに0.1秒差の好時計。産駒は距離を問わず活躍しており、長距離戦の勝率も10%を超えている。母ビタースウィートはダート短距離で3勝をあげ、産駒は芝の中距離で勝利している。Afleet Alexはアメリカの3歳クラシック二冠馬だが、Mr.Prospector~アフリートと続く血統でダートの短距離向き。日本ではダートで4勝、芝で1勝と、やはりダートで結果を残しており、芝3000mの条件を後押しするタイプではない。先々ダート中距離路線に転向すれば要注目の一頭。
■ディアマンミノル
父:オルフェーヴル
母:イソノスワロー
母の父:デヒア
父オルフェーヴルはステイゴールド産駒で2011年の菊花賞馬。産駒も長距離適性があり、他の種牡馬より好材料。母イソノスワローは現役時代未勝利だが、産駒はトラストワンが中距離で活躍するなど好成績。ただしデヒアはJRA芝2000m以上で82戦して未勝利、2200m以上だと18戦してすべて6着以下。母の父としても日本の活躍馬はマイル以下に集中。ディアマンミノルは芝2200~2400mを連勝中だが、明らかに父オルフェーヴルの影響が強い。メルボルントロフィーで騎乗した酒井騎手の感想では「距離は2400mぐらいが良さそう」とのこと。
■ブラックホール
父:ゴールドシップ
母:ヴィーヴァブーケ
母の父:キングカメハメハ
父ゴールドシップは菊花賞、天皇賞(春)を勝利したほか、3000mの阪神大賞典を3勝し、芝3000m以上は7戦5勝というステイヤー。種牡馬デビュー2年目で産駒は3000m以上の経験がないが、芝2600mで14戦2勝、勝率14.3%・連対率35.7%・複勝率50%の好成績。ヴィーヴァブーケは桜花賞2着など、短距離で活躍したブルーリッジリバーが母。母の父キングカメハメハは距離不問の万能種牡馬だが、牝系は短距離系統でこの距離はマイナス。ただ初めての距離で父の血が騒げば上位争いも…
■ヴァルコス
父:ノヴェリスト
母:ランズエッジ
母の父:ダンスインザダーク
父ノヴェリストは今年種牡馬デビュー4年目だが、いまだ芝3000m以上に出走した産駒がいない。その4年で芝2500m以上は2勝のみなので、長距離向きの種牡馬とは言えない。母ランズエッジはディープインパクトの妹で、母の父は1996年の菊花賞馬ダンスインザダーク。産駒は3000m以上でG1を3勝するなど重賞10勝と抜群の長距離適性。芝3000m以上の勝率13.7%・連対率23.3%・複勝率32.6%はすべての条件でトップ。母の父としてもユーキャンスマイルやアルバートが3000m以上の重賞を勝利と適性は抜群。前走でも騎乗した三浦騎手は「距離が延びるのはいい」と語っており、父の適性に疑問はあるものの、ダンスインザダークの底力で上位争いも。
■アリストテレス
父:エピファネイア
母:ブルーダイアモンド
母の父:ディープインパクト
父エピファネイアも母の父ディープインパクトも菊花賞馬。エピファネイア産駒のデアリングタクトが秋華賞を勝利したが、エピファネイア産駒は芝2500m以上を16戦して【5.1.1.9】、勝率31.2%・連対率37.5%・複勝率43.8%と抜群の長距離適性を見せている。しかもディープインパクト産駒は過去4年で菊花賞3勝、母の父としてもキセキが勝利して過去4年の勝ち馬すべてに絡んでいる。もっとも活躍が期待される超新星だ。
■ターキッシュパレス
父:Golden Horn
母:Regency Romance
母の父:Diktat
父Golden Hornはイギリス生産馬で9戦7勝。凱旋門賞、イギリスダービーなど実績は抜群。母Regency Romanceは9戦1勝で目立った成績はなく、Diktatはマイル以下が主戦場で日本の安田記念に出走して2着の実績がある。母の父としてクルーガー、サクセッションが日本の重賞を勝利しているが活躍馬は1800m以下が中心。神戸新聞杯後に富田騎手が「スタミナはあるので距離が延びるほど良さが出そう」と評しているが、良馬場の時計勝負は厳しく雨が降れば馬券に一考。
■ダノングロワール
父:ハーツクライ
母:ソーメニーウェイズ
母の父:Sightseeing
芝2400~2500mで3勝と実績はすでに長距離戦にシフト。父ハーツクライは現役時代に菊花賞も天皇賞(春)で5着以下だったが、産駒はフェイムゲームやウインバリアシオンが長距離重賞で活躍し、3000m以上で連対率25.6%・複勝率33.3%など好成績。母ソーメニーウェイズはアメリカで10戦5勝。母の父Sightseeingは目立った活躍馬はいない。芝2400mで初勝利時に鞍上のマーフィーが「先々はもっと延びても良さそう」と語っており、ここで長距離適性が開花する可能性も。
以上を踏まえると菊花賞の芝3000mがプラスに出る馬、マイナスに出る馬、プラスでもマイナスでもない馬に分かれた。それらをまとめると以下のようになる。
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