JRA天皇賞・秋(G1)「最弱世代」代表ダノンキングリーの意地。衝撃の4歳牡馬「未出走」から10年……。またしても“助け舟”頼みで危機回避か
11月1日、東京競馬場で天皇賞・秋(G1)が開催される。3冠を達成したデアリングタクト、コントレイルに続いて、アーモンドアイが史上初となる芝G1・8勝目という偉業を達成できるか注目が集まる。
グレード制が導入され、天皇賞・秋が芝2000mで施行されるようになった1984年以降で、最も勝利しているのは19勝の4歳馬。その内訳は牡馬15勝、牝馬4勝となっており、圧倒的に4歳牡馬が強いレースといえるだろう。
しかし、今年の出走メンバーに目を向けると、なんと4歳牡馬はダノンキングリー(牡4歳、美浦・萩原清厩舎)だけである。
重賞3勝の実績を持ちながらも、G1にはあと1歩届かないダノンキングリー。無冠ながらも、世代屈指の実力馬が4歳牡馬代表として天皇賞・秋に出走する。
ダノンキングリーの出走で体裁を保った4歳牡馬だが、クラシックホースの近況は以下の通りだ。
皐月賞馬サートゥルナーリアは調整遅れにより、天皇賞・秋からジャパンC(G1)へ目標を切り替えた。ダービー馬ロジャーバローズは既に引退。菊花賞馬ワールドプレミアは体調が整わないことを理由に春全休し、ジャパンCで今年初戦を迎えようとしている。古馬王道路線に4歳牡馬の有力どころが出走しないのは、物足りなさを感じるのが正直なところだ。
実は、グレード制導入後、36回の歴史をもつ天皇賞・秋に4歳牡馬が1頭も出走しなかった年が1度だけある。
2010年の天皇賞・秋はフルゲート18頭立てで行われたが、4歳牡馬の姿は皆無。当時の4歳牡馬はダービー馬がロジユニヴァースの世代で、“最弱世代”とも揶揄されるほどだった。
その世代の牡馬で芝の古馬混合G1を勝利したのは、10年の宝塚記念を制したナカヤマフェスタ、11年の天皇賞・秋を制したトーセンジョーダン、12年の安田記念を制したストロングリターンの3頭のみ。当時はナカヤマフェスタが宝塚記念を勝利しただけということで、すでに世代レベルを疑う声が挙がっていた。さらに、天皇賞・秋に1頭も出走しないという体たらくだ。
だが、これは現4歳牡馬にとって他人事ではない。
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