C.ルメール「彼女はまだ走りたいみたい」名牝たちの早過ぎる引退に賛否!? アーモンドアイ、リスグラシューも…… クラブ規約は晩成馬の可能性を摘みかねない?
有馬記念(G1)はクロノジェネシスが勝利を飾り、2着にはサラキアが入って牝馬のワンツーフィニッシュ。その他にも4着にラッキーライラック、5着同着にカレンブーケドールと牝馬が上位を賑わせたように、牝馬が強かった1年を象徴する結果となった。
5歳牝馬のサラキア、ラッキーライラックはこれが引退レースとなり、来年からは繁殖牝馬として第2の生活を迎えることとなる。
特にサラキアは夏まで重賞勝ちすらなく、重賞制覇を遂げたのは府中牝馬S(G2)が初めてだった。そして、3歳の秋華賞(G1)以来のG1挑戦となったエリザベス女王杯でラッキーライラックの2着と好走。トップクラスが集まる有馬記念でもあわやの2着に食い込んだ。
今秋に急上昇した成績的にもこれからがピークとなる可能性も十分にある。地力強化を見せた現在、来年も大舞台で期待が出来そうだっただけにこれがラストランとなったのは残念である。
今年引退を迎える牝馬はこれら2頭以外にもジャパンC(G1)で有終の美を飾ったアーモンドアイもいる。主戦を務めていたC.ルメール騎手がパートナーに対し「彼女はまだ走りたいみたい」とコメントしていたように、まだまだ現役でも一線級の能力を証明したばかり。高い能力を有しながら、このままターフを去ってしまうのは淋しい限りである。
これは昨年の有馬記念を優勝したリスグラシューについても同様だった。同馬の父は晩成で知られるハーツクライ、自身も古馬になって本格化した馬だった。世界最高レーティングの評価を受けたジャスタウェイもまたハーツクライ産駒だ。あれだけ強い勝ち方をしたなら当然、翌年以降も現役生活を見たいと希望する声も多かったが、引退している。
しかし、シルクレーシングやキャロットクラブに所属する馬には、6歳3月までに引退するというクラブ規約の存在がある。このため、これからピークを迎えそうな晩成型の馬でも規約により、引退が決まっているのだ。
牡馬に比べて牝馬は完成が早いといわれているとはいえ、競走馬のピークは各馬によって様々なことも確か。画一的に全馬を同じ基準に照らしてしまうのは残念かもしれない。
ただ、現役時代はおろか、引退後も無事に過ごせるかどうかも分からないのがサラブレッドでもある。牝馬である以上は、後世にその血を残していかなければならない使命もある。
引退するのは残念ではあるが、生まれてくる産駒に母の夢の続きを託したい。
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