JRA武豊「たっぷり確定申告したい」インティに手応えあり!? フェブラリーS(G1)51歳最後のG1に意欲も…… 巻き返し絶望な決定的理由
21日、今年最初のG1となるダートマイル王決定戦・フェブラリーS(G1)が東京競馬場で開催される。
1番人気に支持された前走の東海S(G2)で12着と大敗を喫したインティ(牡7、栗東・野中賢二厩舎)は、引き続き武豊騎手とのコンビで巻き返しを図る。
武豊騎手は16日、大阪国税局を訪れてスマートフォンを利用したe-TAXのPRイベントに出席。確定申告書の作成を模擬体験し、「個人的には51歳で最後のG1。何とか勝って、来年たっぷり確定申告したいと思います」とコメントし、今年のG1優勝一番乗りに強い意欲を見せた。
だが、そんな武豊騎手の意気込みとは裏腹にインティを取り巻く状況は決して楽ではないといえそうだ。
フェブラリーSは一昨年に優勝した得意の条件ではあるが、その一方で連覇を目指した昨年は2番人気で14着と大きく崩れた。ワイドファラオとアルクトスが競り合う急流に飲み込まれ、思うようにレースを運べなかったことが敗因として考えられる。
好走したレースはほぼマイペースの逃げ。または2番手以降でも前半がスローで流れた場合である。これに対し、インティの崩れるケースは非常にわかりやすい。後続につつかれる展開や、好位に控える競馬をしてもハイペースで流れた場合は力を発揮できずに終わっている。陣営が「自分のリズムで気持ちよく走れれば」と強調しているのはまさにこのことだろう。
裏を返すと、ライバル陣営からすればインティの”潰し方”は、早めにプレッシャーを掛けるだけという至極簡単な攻略方法が導かれる。これがかつてのサイレンススズカやミホノブルボン、はたまたキタサンブラックのようなタイプの馬なら競り掛けた側が返り討ちに遭うリスクのほうが大きいのだが、インティはこれらとは違って繊細なタイプ。ダイシンインディーから執拗に絡まれた前走の東海Sでも、精神的な脆さを露呈してしまった。
何よりも気になるのは昨年のフェブラリーSで激流を作り出した天敵といえるワイドファラオとアルクトスが今年も出走してくることである。この2頭だけでなく、東海Sでインティの直後から抜け出したオーヴェルニュも出走するため、マイペースの単騎逃げのような展開は期待できそうにない。
「インティは7歳という年齢的にも衰えは気になります。G1に昇格した97年から7歳馬の勝利はありません。前走の大敗で多少マークは緩くなるかもしれませんが、データ的にも1着はなさそうな雰囲気です。
自身が優勝した一昨年は5連勝だったように、フェブラリーSは勢いが重視されるレースでもあります。10番人気の低評価を覆したチャンピオンズCの印象があるため、今回はそこまで人気も下がらないでしょう。配当的な妙味もないだけに、狙うにもリスクの方が大きそうです」(競馬記者)
そんな状況下で頼りになるはずの武豊騎手だが、今年の重賞で【0.1.0.6/7】と未勝利。1、2番人気に5鞍騎乗しているように、勝ち負け可能な馬質だった。にもかかわらず、2着が1回のみではまだまだ本調子には遠い印象である。
これまで多くの神騎乗を披露してきた競馬界のレジェンドだが、さすがに今年のフェブラリーSで巻き返すのは絶望的といえるかもしれない。
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