GJ > 競馬ニュース > デムーロ、ルメール新刊発売
NEW

勝負とは、生きるとは――新刊『ミルコ・デムーロ×クリストフ・ルメール 勝利の条件』で描かれる「異国のサムライ」の本質

【この記事のキーワード】, ,
rumedemu.jpg『ミルコ・デムーロ×クリストフ・ルメール 勝利の条件』(KADOKAWA)

 ミルコ・デムーロ騎手と、クリストフ・ルメール騎手――。

 今、日本の競馬界はこの2人の外国人騎手を中心に回っていると言っても過言ではないだろう。昨年途中から日本競馬初の「通年免許」を得た両名は、その期待や注目度に違わぬ、いや想像すらも超えた活躍を見せている。

 無類の勝負強さでわずか1年の間に中央G1競走を6勝(4月13日時点)したデムーロ騎手。そして今年、3着内率5割(4月13日時点)という脅威の安定感で勝ち鞍を重ねるルメール騎手。世界でもトップクラスの実力を持つであろう2人に対し、競馬ファンも素直に賛辞を送っている。

 そんなデムーロ、ルメール騎手と親交が深く、日本馬の遠征を中心に海外競馬の取材を続ける平松さとし氏が構成を手がけ、2人の共著として4月7日に発売されたのが『ミルコ・デムーロ×クリストフ・ルメール 勝利の条件』(KADOKAWA)である。彼らが語る「勝負論」を通じて、騎手として、一人の人間としてのプライドやパーソナリティも浮き彫りになる見事な一冊であると、最初に申し上げておく。

 構成は2人の「対談」ではなく、テーマに沿ってそれぞれ個別に語ってもらうもの。「デムーロの本」「ルメールの本」を同時に楽しめるという形になっているが、各テーマごとで2人の考え方の違いや共通点を見つけられるのが面白い。文章もデムーロ騎手がくだけた語り口調で、ルメール騎手が敬語。これもキャラクターということか。

 本編では、2人が騎手になった経緯やお互いの印象から始まり、世界を転戦することの重要性や日本競馬の素晴らしさ、凱旋門賞や海外のビッグレースへの思い、プレッシャーの処理方法、それぞれの目標や食事、そしてライフスタイルにまで踏み込んでいく。

多くの人が知るところであるが、デムーロの「日本愛」はやはり本物。日本の競馬そのものはもちろん、住まいとなる京都や日本食にまで話が及び、「本当に大好き」を連発する。そして、その中に見えるのが「感謝の思い」だ。いつも気さくで明るい雰囲気のデムーロ騎手だが、そこには故郷・イタリア競馬への切ない思いや、多くの国で騎乗した経験、たどり着いた日本という舞台での絶え間ない努力、文化への適応などが見え隠れする。決して一筋縄で今のポジションについたわけではないことが、本書を読めば一目瞭然だ。だからこそ、彼の言葉の端々から熱いハートと「感謝」を感じるのかもしれない。

勝負とは、生きるとは――新刊『ミルコ・デムーロ×クリストフ・ルメール 勝利の条件』で描かれる「異国のサムライ」の本質のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
  2. 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
  3. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  4. 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
  5. 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも「鞍上未定」の怪…レース当週C.ルメール復帰予定、何かしらのサプライズも?
  6. 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
  7. 日本ダービー馬は運が良いだけ!? 天皇賞・春(G1)J.モレイラ「完璧騎乗」もタスティエーラ惨敗の絶望感…G1「2勝以上」上積みは2007年ウオッカが最後
  8. 「シャンパンカラーが勝つよ」昨年のNHKマイルCで9番人気の激走を見抜いた“凄腕”が指定したのは、ジャンタルマンタルでもアスコリピチェーノでもないまさかの激走穴馬
  9. どれだけハズレても我々は「バッターボックス」に立たせてもらえる! 悔いを残したくないからこその大ダメージ…競馬と後悔の実に深い繋がり【徒然なる神のくず競馬トーク】
  10. 【天皇賞・春】ドゥレッツァでもタスティエーラでもない光明!? レベル疑問の4歳世代に「惑星ステイヤー候補」が登場