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JRA 福永祐一先生「的確過ぎ」公開予想にC.ルメールも白旗!? 天皇賞・春(G1)「クリストフは早めに動かない」トップジョッキーも兜を脱いだ、恐るべき洞察力

 阪神の3200mを解説する上で、福永騎手が一番のポイントに挙げていたのが、2周目が内回りであることだ。

 例年の京都開催でのポイントとなる向正面の直線が短いため「1回決まった隊列はそう簡単に変わらない」「早めにマクってくる馬はいない」「3、4コーナーで早めに先頭集団にプレッシャーをかけるのは、瞬発力勝負に持ち込みたくないディープボンド」「アリストテレスのクリストフ(ルメール騎手)は早めに動くタイプではない」など、次々と的確に展開を想定。

 ディアスティマを「簡単には止まらない信頼できる逃げ馬」と評価していたところなど、そのほとんどが実際のレースで実現したのだから、今年の天皇賞・春はある意味、福永騎手が勝つのも当然だったのかもしれない。

「自分も動画を拝見しましたが、登場した7頭が上位7着までを占めた結果ということもあって、福永騎手の予想は恐ろしいほど的確でしたね。自分も含め『事前にこの動画を見ていれば……』と後悔した人も少なくないのではないでしょうか(笑)。

レース前には、天皇賞・春8勝を誇る武豊騎手からの乗り替わりを不安視する声もありましたが、今回はそんな“雑音”を完全にシャットアウトする、福永騎手らしい戦略の勝利だったと思います」(競馬記者)

 まるで競馬予想家のような的確な展開予想には、近くで取材を受けていたC.ルメール騎手も「(福永)先生は、よく知ってますね」と感心した様子。

 本番のレースでは、先に進出を開始したルメール騎手のアリストテレスをマークしていた福永騎手のワールドプレミアが、最後の直線で測ったように競り落としているが、勝負はレース前についていたのかもしれない。

「非常に上手くいったと思います」

 勝利騎手インタビューで、そうレースを振り返った福永騎手。今年の天皇賞・春は、まさに「長距離戦は騎手」という格言が実証されたようなレースだった。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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