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JRA「迷惑をかけて申し訳ない」武豊“大外タックル”で騎乗停止から約3年…。「因縁」被害馬トレーナーと3年ぶりのコンビ復活

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武豊騎手

 先週15日に行われた愛知杯(G3)は、武豊騎手のルビーカサブランカが優勝。

 36年連続で重賞制覇を決めたレジェンドは、自身のオフィシャルサイトで「デビューの年から続く記録ですから、早いうちにやっておきたいというのは正直な気持ち。1月のうちにできたのは、荷物を一つ下ろせたような感覚です」と、胸の内を明かした。

 新年早々幸先の良いスタートを切った武豊騎手だが、さっそくルビーカサブランカの金子真人オーナーから次の有力馬の依頼が舞い込んできた。それが22日の中京11R・長篠S(3勝クラス)に出走予定のジャカランダレーン(牝4歳、栗東・中内田充正厩舎)だ。

 同馬の父ラブリーデイと、母ウリウリは金子オーナーの所有馬。また、その父と母も同オーナーの所有馬であったことから、“金子血統”という触れ込みでデビュー前から注目を集めたジャカランダレーン。初戦となった20年7月の新馬戦は、後続に4馬身差をつける圧勝で、話題だけでなく実力があるところも示した。

 その後、2戦目のダリア賞(OP)と続くもみじS(OP)を連続して1番人気で3着に敗れるなど、やや足踏みしたが、昨年6月の1勝クラスでは新馬戦以来の白星。2勝クラスも僅か2戦で突破すると、昇級初戦となった前走の若潮S(3勝クラス)でも、勝ち馬エイシンチラーから0秒2差の4着に好走している。

『netkeiba.com』の想定オッズでは2番人気に推されている。両親のラブリーデイとウリウリは、古馬になり重賞を勝ってから本格化した。ジャカランダレーンにもこれからの伸びしろが期待できそうだ。

 2週連続の金子馬による勝利も期待されるが、その一方で、武豊騎手が中内田厩舎の管理馬に騎乗するのは、これが実に3年1ヶ月ぶりとなる。

 昨年は54勝を挙げて、初のリーディングトレーナーに輝いた中内田師。主戦は川田将雅騎手だが、武騎手も厩舎開業の14年以来、毎年10鞍前後は騎乗しており、コンビでも通算で6勝を挙げている。しかし、理由は不明ながら、18年12月のゼンノワスレガタミを最後に、近年は騎乗依頼が途絶えていた。

 そんな両者だが、19年6月に行われた安田記念(G1)ではこんなエピソードがあった。

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アーモンドアイ

 1番人気は前年の年度代表馬で、目下7連勝中の女王アーモンドアイ。続く2番人気に推されたのが、当時の中内田厩舎の看板馬ダノンプレミアムだ。上位2頭から3番人気まではオッズが開いており、ファンからは2頭の一騎打ちが期待されていた。

 だが、ゲートが開くと同時に悲劇が起こる。

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ロジクライ

 武豊騎手が騎乗していた大外枠のロジクライがスタート直後、急激に内側に斜行。同馬の内にいたダノンプレミアムとアーモンドアイを含む4頭が玉突きのように接触し、大きな不利を被る事態に。

 その結果、不利なく好位から抜け出したインディチャンプが1着、ハイペースで逃げたアエロリットが2着に残る高速決着。大本命のアーモンドアイは後方から差を詰めるも、スタートの不利が響いて3着まで。そしてダノンプレミアムはまさかのシンガリ16着に大敗した。

 レース後、武騎手は「物見をして切れ込んでしまった。迷惑をかけて申し訳ない」と、斜行について謝罪し、開催1日間の騎乗停止処分に。一方、惨敗を喫したダノンプレミアムの中内田師は、「ゲートで邪魔をされたのが全て」と、やや辛辣なコメントを残している。

「当時はアーモンドアイとダノンプレミアムによる現役最強マイラー決定戦が期待されていましたが、不可抗力とはいえ何とも後味の悪いレースとなってしまいました。

なおダノンプレミアムは入線後に乗っていた川田騎手が下馬したものの、大きな異常は見つかりませんでした。これには中内田師も胸を撫で下ろしたのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 そんな紆余曲折を経たものの、コンビ復活を果たした両者。G1完全制覇まで残るはホープフルS(G1)のみとなった武騎手にしても、2歳戦に強い中内田厩舎との復縁は大きなプラスとなりそうだ。まずは今週末、ジャカランダレーンの好走に期待したい。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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