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JRA シルクロードS(G3)は「二強」に死角あり!? 待ったをかけるのは妙味十分な復調気配漂う「豪脚」牝馬

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 30日に行われる芝のスプリント重賞・シルクロードS(G3)は、京都競馬場の改修工事に伴い、昨年に引き続き中京競馬場での開催。3月の高松宮記念(G1)と同舞台で行われるだけに、各馬ともG1に向けた重要な一戦になりそうだ。

 26日現在、『netkeiba.com』の予想単勝オッズでは、カレンモエとメイケイエールの2頭が人気を分け合っており、下馬評では二強ムードが濃厚となっている。

 想定1番人気のカレンモエは、キャリア12戦で一度も掲示板を外していない安定感が持ち味だ。前走のセントウルS(G2)では5着に敗れたが、2走前まで3戦連続G3で2着となるなど、重賞制覇まであと一歩の所まで来ている。

 ただ、元JRA騎手の安藤勝己氏は自身のTwitterで函館スプリントS(G3)のレース後に「同じカレンのブーケドール感が出てきた」と、同じオーナーが所有し、昨年引退したカレンブーケドールを引き合いに出した。

 カレンブーケドールは、現役時代にG1・G2を合わせて6回も2着となったシルバーコレクターとして知られている。実力は十分ありながら、勝ちきれない印象が定着した同馬と同じように、カレンモエも惜敗が続くようなら善戦止まりのキャラに落ち着いてしまうかもしれない。

 想定2番人気のメイケイエールは、そのポテンシャルの高さもさることながら、レース中に制御不能となり暴走を繰り返してきた、気性の難しさが注目を集めてきた。前走のスプリンターズS(G1)では古馬相手に4着と実力の片鱗を見せたものの、快速馬モズスーパーフレアが引っ張る澱みのない流れの中で追走できたことがプラスに働いたのも事実だ。

 今回は出走メンバーのレベルが落ちるG3で、道中のペースが緩むようなら再び気性の悪さを見せ暴走する可能性もありそうだ。一度掛かってしまうとロデオ状態となることもあり、そうなると大敗まであり得そうだ。

 このように二強に付け入る隙がありそうな今回、狙ってみたいのが、近走復調気配が見られるシャインガーネット(牝5歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。

 同馬は新馬戦、赤松賞(1勝クラス)と連勝するなど、元々素質が光った馬。また、一戦挟んで挑んだ4戦目のファルコンS(G3)では、後にNHKマイルC(G1)を勝利したラウダシオンを下して重賞を勝っており、実力も十分ある。

 その後は重賞を中心に出走するが勝ち星からは2年近く遠ざかっており、昨年3月には活路を求めて、自身初となるダート戦にも出走していた(結果は8着)。

 しかし、初のダート戦以降復調気配が漂い始める。3走前の京王杯スプリングC(G2)、2走前のセントウルS(G2)では共に6着と、短距離の強豪相手に善戦。同じくセントウルSに出ていたカレンモエとは0.1秒差で、今回斤量が当時よりプラス1kgで55kgとなるカレンモエに対して、シャインガーネットは据え置きの54kgでの出走。セントウルSの結果を物差しにすると今回は十分逆転が狙えそうだ。

 前走のオーロC(L)では痛恨の出遅れをしてしまったが、直線は外が伸びる馬場コンディションの中、荒れた馬場の三分所からグイグイと伸びる直線だけの競馬で3着を確保。約2ヶ月ぶりの実戦となるが、発馬がまともなら更なる前進に期待出来そうだ。

 前走で見せたように、今回のメンバーの中でも屈指の末脚を持っているシャインガーネット。これまでの傾向では前目で競馬をする事が多かったカレンモエ、メイケイエールなどの人気上位馬が勝ち急ぐようなら、展開面での恩恵もありそうだ。予想オッズでの人気も現在7番人気と馬券妙味も十分ありそうで、ここは実力馬の復活に期待したい。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

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