JRA「勝った馬が強過ぎた」C.ルメール、武豊も完敗認めた衝撃! ドゥラメンテの“秘密兵器”がレコード勝ち大本命を楽々撃破
30日、東京競馬場で行われた9Rのセントポーリア賞(3歳・1勝クラス)は、戸崎圭太騎手の2番人気ドゥラドーレス(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)が快勝。父ドゥラメンテも制したレースを親子制覇し、昨年11月のデビューから連勝を決めた。
「クラシック候補の一角に名乗りを上げた」と言っていいかもしれない。
なぜならこのレースには、1勝クラスの条件とはいえ、C.ルメール騎手×国枝栄厩舎のコンビが送り出す大本命ウィズグレイスも出走していたからだ。
同馬は前走の未勝利戦で後続に6馬身差をつけて圧勝した大物。このときの勝ち時計1分58秒5は、従来のものを0秒7も更新する2歳レコードだった。管理する国枝栄師も「正直、ビックリしたよ」とコメントした大本命馬にルメール騎手が騎乗したなら、単勝1.4倍の断然人気に支持されたのも無理はない。
だが、そんな一強ムードを真っ向勝負で覆したのがドゥラドーレスである。
ウィズグレイスとの対戦を避けた馬も多かったのか、8頭立ての少頭数で行われた芝1800mのレース。大方の予想通り、ウィズグレイスがハナを奪ったのに対し、出遅れ気味のスタートだったドゥラドーレスは後方から2番手で追走する。
1000m通過58秒3の快ラップで飛ばしたウィズグレイスが、最後の直線に入っても先頭をキープ。持ったままで後続を突き放しにかかるが、外から抜群の手応えで上がって来たのがドゥラドーレスだ。ライバルを残り200m過ぎに交わすと、3馬身の差をつけてゴール。2頭の叩き合いどころか、勝ち馬の強さばかりが目立つ圧勝劇となった。
「まだこの時期なのではっきりとしたことは言えませんが、ドゥラドーレスが見せたパフォーマンスは、十分にG1級だったと思います。休み明けで12キロ増の馬体もおそらく成長分。負かした相手も前走レコード勝ちの大物候補。勝ち時計も優秀でしたし、わずか2戦で大きな成長を見せています。
問題はこの後ですね。父はセントポーリア賞から共同通信杯(G3)経由で出走した皐月賞を制覇し、続く日本ダービー(G1)も制して春二冠を達成しました。ドゥラドーレスも二冠を視野に入れるなら、本番までにもう1戦する必要があります。賞金を加算して皐月賞を使うのか、それともダービー1本に絞るのか、ドゥラメンテ産駒の秘密兵器の次走に注目ですね」(競馬記者)
記者からG1を意識する言葉が出たのも、セントポーリア賞のレース内容が圧巻だったからに他ならない。
刻んだラップ的にも凡走したわけではないウィズグレイスを相手に、3馬身差という決定的な着差。勝ち時計の1分45秒7にしても、同じ東京芝1800mのデビュー戦の1分48秒9から3秒2も縮めている。
しかも、これは昨年の東京芝1800m戦で2歳戦最速だった東京スポーツ杯2歳S(G2)で、イクイノックスが記録した1分46秒2より0秒5も速かったのだ。一部でクラシック候補の筆頭とも噂される大物と遜色のない走りを披露したなら、期待が膨らむのも当然だろう。
初騎乗ながら鮮やかな勝利に導いた戸崎騎手も「下手に乗ってしまい、大外を回す形になった」と悔いを残しながら「相当いいモノを感じます」と高評価。2着に敗れたウィズグレイスのルメール騎手、3着デルマグレムリンの武豊騎手も「勝った馬が強過ぎた」と白旗を上げた。
次走で無敗の3連勝を飾るようなら、今年のクラシックの勢力図が一気に塗り替えられる可能性もある。その先には、母ロカが手にすることのできなかったG1タイトル獲得の夢も見えて来るはずだ。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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