JRA「能力が高い」C.ルメール絶賛の超大物3歳が2連勝! ノーザンファーム吉田勝己代表「相当上まで行きそう」宿敵ダノンベルーガとの再戦へ貴重な2勝目
11日、東京競馬場で行われた8R・3歳上1勝クラスは、1番人気のバトルボーン(牡3歳、美浦・林徹厩舎)が勝利。単勝1.4倍の圧倒的な人気に応えて未勝利戦からの連勝を飾り、実りの秋に向かって大きな一歩を刻んだ。
1頭が出走取消となり、8頭で争われたレース。デビューから2戦はハナに立って競馬したバトルボーンだが、この日はスタートから1コーナーが近い東京・芝2000mの外枠ということもあって、内から主張したテーオーシリウスにハナを譲った。
これまでとは異なる形での競馬となったが「“リードホース”の後ろにつけて、リラックスして走れました」と語った鞍上のC.ルメール騎手が、上手くなだめて2番手で折り合うと、そのままの隊列で最後の直線へ。
残り200mでルメール騎手からムチが入ると、逃げ粘るテーオーシリウスをあっという間に交わして独走態勢に。後続からセーフティリードを奪うと、最後は流すような感じでゴール板を通過した。
ソングラインの調教パートナーを任される大物
「今回は骨折からの復帰戦の上に古馬も交じってのレースでしたが、格上といった内容でしたね。前半の1000m通過が59.7秒、勝ちタイムが1:58.9と、時計面も1勝クラスのレースとしては非常に優秀と言って良いと思います。
先週の安田記念(G1)を勝ったソングラインが同厩で、その1週前追い切りのパートナーを務めたのが、この馬。使われ方を見ても陣営の期待の高さが伝わってきます。脚元に不安のある馬だけに慎重な調整が必須ですが、このまま順調にいけば秋には重賞戦線を賑わす1頭になっているはずです」(競馬記者)
今回の勝利で、バトルボーンは通算3戦2勝となった。唯一、敗れたデビュー戦は2着だったが、その時に勝ったのがダノンベルーガだ。後に共同通信杯(G3)を制し、日本ダービー(G1)で1番人気に支持された世代トップクラスの1頭である。
なおレースはダノンベルーガが2馬身差をつけての完勝だったが、バトルボーンも3着馬に5馬身差をつけての2着。もしこのレースを後者が勝ち上がっていれば、春のクラシックを盛り上げる1頭になっていたかもしれない。
「今回は3月の未勝利戦以来になりましたが、その未勝利戦を勝った際、JRA-VANの公式インタビューでノーザンファームの吉田勝己代表が『相当上まで行きそうですよ。重賞も勝てそうな内容』と、あえて名前を挙げて称賛していました。
それだけに今回も注目していましたが、追い切りの動きは完調手前といった感じ。少し心配していましたが、杞憂に終わりましたね。順調に使われていけば、もっとパフォーマンスを上げてくると思います。
レース後、ルメール騎手が『2000mはぴったり』と話していた通り、今後は3000mの菊花賞(G1)ではなく、2000m前後の中距離重賞がターゲットになるでしょう。もし、天皇賞・秋(G1)まで駒を進められるなら、デビュー戦で後れを取ったダノンベルーガとの再戦もあるかもしれませんね」(別の記者)
「能力の高い馬です」
レース後、そうルメール騎手から評価されたバトルボーン。遅れてきた大物がリベンジの秋へ、遥か高みにいるライバルと再戦するためにはまだまだ止まれない。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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