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JRA帝王賞(G1)武豊「もちろんシンガリでした」の苦い記憶、誰もが逃げると確信したレースで「致命的」ミス…夢のタッグは競馬どころじゃなかった!?

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JRA帝王賞(G1)武豊「もちろんシンガリでした」の苦い記憶、誰もが逃げると確信したレースで「致命的」ミス…夢のタッグは競馬どころじゃなかった!?の画像1
撮影:Ruriko.I

 26日に阪神競馬場で行われた宝塚記念(G1)は、2番人気のタイトルホルダーが完勝。不安視された距離不足をあっさり克服し、2分9秒7の勝ちタイムはコースレコードのオマケ付きだった。

 そんなレコードタイムの陰の立役者となったのはパンサラッサだろう。スタート後はいつものような行き脚はなかったが、600mが33秒9、1000mは57秒6というハイラップを刻み場内を盛り上げた。

 テンからグイグイ飛ばしていくそのスタイルから「令和のツインターボ」の異名を持つパンサラッサだが、“明確な”逃げ馬に転じたのは昨秋のこと。それまでは決して無理に逃げるタイプではなく、その証拠にキャリア21戦のうち初角を先頭で通過したのは11戦にとどまっている。

 一方、“本家”ツインターボはデビュー当初から逃げのスタイルを確立。JRAで走った22戦すべてを初角先頭で通過しており、その逃亡率はなんと「100%」だった。

 中距離戦でもまるで短距離戦のように飛ばしていくツインターボの逃げは、決まれば鮮やかだが、道中で失速することも珍しくはなく、「玉砕型」や「劇場型」などとも呼ばれた。ツインターボが人気を極めるきっかけとなったのは5歳時に逃げ切った七夕賞(G3)とオールカマー(G2)だろう。特に30馬身以上の大逃げを打ち、まんまと逃げ切ったオールカマーは今や伝説となっている。

 そんなツインターボがG1制覇に最も近づいたのは続く天皇賞・秋(G1)だった。この時は重賞2連勝の勢いでライスシャワーとナイスネイチャに次ぐ3番人気に支持されたが、4角で後続に早々と飲み込まれ最下位に惨敗。この頃がツインターボ人気のピークでもあった。

 その後は逃げては惨敗を繰り返し、4角まで持たずに馬群に沈むレースも増えていった。そうこうしているうちに迎えた6歳春。陣営はダートに活路を見いだそうと、その年(1995年)から中央・地方の指定交流競走に指定された帝王賞に矛先を向けた。

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武豊騎手

 注目の鞍上には初コンビとなる武豊を迎え、デビュー戦以来となるダートでどんな逃げを打つのかに大きな注目が集まった。

「ツインターボにとって帝王賞が自身2度目のダート戦でした。1度目はデビュー戦で中山1800mを逃げて3馬身差で完勝していたこと、さらに鞍上が当時全盛を誇った武騎手ということもあって、3番人気に支持されました」(競馬誌ライター)

誰もが逃げると確信したレースで「致命的」ミス…

 久々のダートでツインターボが逃げ切れるかどうかは未知数だったが、大井競馬場にいた誰もがツインターボの逃げを確信していたに違いない。ところがゲートが開くとまさかの出遅れ。武騎手が必死に手綱をしごくも、まるで別馬のような行きっぷりだった。

 4年ぶりの砂に戸惑ったのか、先頭を伺うどころか馬群について行くのがやっとの有様。デビュー22戦目にして初めて最初のコーナーで前に他馬を見る形となった。

 いつもなら実況で何度も連呼される馬名もこの日はほとんど呼ばれることはなく、最後は勝ったライブリマウントから7秒2差をつけられる大敗を喫した。

 ちなみに武騎手はゲスト出演した某バラエティー番組でこの時のことを「(出遅れて砂を被って)競馬どころじゃなかった。もちろんシンガリでした」と振り返っている。

 ツインターボはその後、中央で1戦すると、地方・上山競馬に移籍。初戦こそ勝利したが、2戦目以降は惨敗続きで、8歳夏にひっそりと現役を引退した。

 あれから27年。29日には大井競馬場で上半期のダート王を決める帝王賞(G1)が“逃げ馬不在”のなか行われる。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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