武豊、C.ルメール「共倒れ」で沈黙の日曜日、抜群の存在感で突き抜けたのは
小倉競馬場では小倉記念(G3)、新潟競馬場では関屋記念(G3)が行われた先週末の開催。前者は松山弘平騎手の2番人気マリアエレーナが5馬身差の圧勝を決め、後者は三浦皇成騎手の1番人気ウインカーネリアンが、待望の重賞初勝利を挙げた。
ただ、注目度の高さでは、新潟開催に軍配が上がっただろう。なぜなら今週末の新潟では、武豊騎手とC.ルメール騎手が揃って騎乗していたからだ。そういう意味では、トップジョッキー2人の姿を見て胸を躍らせたファンも少なくなかったのではないか。
近年の夏場で、他場より涼しめの北海道開催を拠点にしていた2人の新潟参戦は、レアケース。夏季休暇から復帰したルメール騎手は毎年、期待の大きな馬でもいなければ、函館や札幌が基本。武豊騎手にとっても、2017年8月6日以来の5年ぶりの新潟でもあった。
ただ、期待の大きかった2人だが、全体を通して振り返れば、それほど目立った活躍はできなかった。共に2勝を挙げた13日の土曜は、悪くない滑り出しだったものの、14日の日曜は揃って未勝利と完全に沈黙してしまったからだ。
いずれ劣らぬトップジョッキーに新潟の“経験不足” はおそらく無関係。 “里帰り” となる今週末の札幌で巻き返したいところである。
札幌競馬で縦横無尽の独り勝ちを演じた横山武史騎手
これに対し、先週末の開催で一際活躍が目立ったのが、札幌競馬で縦横無尽の独り勝ちを演じた横山武史騎手だ。主役となるはずだった春G1で思うような結果を残せなかったものの、夏の北海道で見違えるような絶好調ぶりを見せている。
世界選抜チームの一員として、ルメール騎手と英国のシャーガーカップに参戦した関係で8月1週の騎乗こそなかったが、2週目は土日で19鞍に騎乗して7勝2着1回3着6回の好成績をマーク。ついに全国リーディングを独走している川田将雅騎手の98勝に12勝差まで詰め寄る86勝を挙げている。
昨年まで5年連続で全国リーディングジョッキーだったルメール騎手が苦戦している今年、自身初のリーディング獲得を目論む川田騎手にとっても、徐々に大きくなりつつある後ろからの足音が気になる頃だ。
ただ、追撃したい横山武騎手もうかうかしていられない。
先週こそ武豊騎手とルメール騎手が新潟にいたため、多くの有力馬を確保できたが、今週末からは、札幌で両者との激突が待っている。
今週の目玉となる札幌記念(G2)には、ルメール騎手がグローリーヴェイズ、武豊騎手がマカヒキ、そして横山武騎手がアラタに騎乗を予定。避暑地といわれる札幌だが、ソダシやジャックドール、パンサラッサなども参戦するだけに、最もアツイバトルが見られるかもしれない。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛