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【JBC予想】クラシック、スプリント、レディスクラシック、2歳優駿で買うべきオススメ馬を特命記者がリポート

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競馬つらつらより

 今週はJRAのG1レースが行われないものの、地方競馬では地方の祭典と呼ばれる地方交流重賞イベント「JBC」が、門別競馬場と盛岡競馬場の2か所に分かれて行われる。

 盛岡競馬場ではダート2000mのJBCクラシック、ダート1200mのJBCスプリント、牝馬限定戦のJBCレディスクラシック、そして門別競馬場ではJBC2歳優駿。1日に4つの重賞レースが行われる、日本版ブリーダーズカップといったところだ。

 地方交流重賞は、JRA所属馬と地方競馬所属馬が激突するのが特徴で、その力関係の把握はなかなかの難題。以前は圧倒的にJRA勢が幅を利かせていたが、近年は地方馬の健闘が目立ち、より難解さを増している。今年は全体的にJRA勢が有利な印象だが、果たしてどんなレースになるだろうか。JBC・4競走の注目馬を特命記者がリポートする。

 

■第22回JBCクラシック(G1)

 盛岡12R ダート2000m 18:40発走

 出走馬15頭にJRA所属馬7頭、地方所属馬8頭が集結。ただしレベルの高い南関東所属馬は4頭のみにとどまり、昨年の優勝馬ミューチャリー(船橋)は不在。大将格フィールドセンスは今年4月までJRAに所属していた馬で、JRA在籍時はオープン特別5着が最高着順だった。過去2回行われた盛岡のJBCクラシックはJRA所属馬が優勝しており、今年はメンバー的にもJRA所属馬の上位独占が濃厚。

 昨年1番人気ながら出遅れて4着だったテーオーケインズは、昨年と同じ6月に行われた帝王賞(G1)からのローテーション。国内に限定すればダートの左回りは5戦4勝3着1回で条件もいい。「休み明けでも重苦しさはなく、調子が今一つだった帝王賞の時より断然状態はいい。12時間ほどの長距離輸送も大丈夫でしょう。期待しています」とスタッフも語っており、巻き返しを期待。

 帝王賞を勝利したメイショウハリオは、休養中の放牧先でザ石があった影響と、輸送を考慮して重めに仕上げていることもあり、乗り込み不足の懸念も。馬体重は前走より少し増えるかも。次のチャンピオンズC(G1)や東京大賞典(G1)の方が狙いやすい。

 3頭の3歳馬は取捨が難しい。3歳馬がJBCクラシックを勝利したのは、2002年第2回のアドマイヤドンのみ。クラウンプライドはUAEダービー(G2)を勝利しているとはいえ、国内で重賞未勝利、そして1度も1番人気になったことがない。「今までで仕上がりは一番いい」とのことだが、勝つまでは難しいだろう。同様にペイシャエス、カフジオクタゴンも押さえまで。

 テーオーケインズの相手筆頭はオーヴェルニュ。父はJBCクラシック連覇を果たしたスマートファルコン。左回りは安定しており、前走のシリウスS(G3)は58kgを背負って3着。今回は57kgと条件も好転し「雨で時計の速い決着は歓迎」と雨予報も同馬にプラス。

 

■第22回JBCスプリント(G1)

 盛岡11R ダート1200m 17:20発走

 連覇を狙うレッドルゼルで断然の様子。前走の東京盃(G2)は3月のドバイ以来、斤量58kgという悪条件を覆しての完勝。今回は斤量が57kgに減り、ダンシングプリンスやラプタスなど、テンの速い逃げ馬が揃い、展開はハイペース必至で有利。他とは最後に使える脚が違い一枚上の存在。鞍上の川田将雅騎手も手の内に入れており、「休み明けを叩いて状態は上がっています。目標にしていたレースで結果を出したい」と陣営の意気込みも高い。チャンピオンズCや東京大賞典を控えるJBCクラシック組とは違い、この後は使えるレースがないためここに全力投球できるのも大きい。

 相手候補はまずリュウノユキナ。同じコースの地方交流重賞クラスターC(G3)は、過去2戦して1勝2着1回の好成績。さらにダート1200mは現在13戦連続で3着以内に好走と抜群の安定度を誇る。昨年のJBCスプリントは1400mで適性外であったが、今回の条件なら間違いなく買い。

 マイルCS南部杯(G1)で2着に好走した武豊騎手騎乗のヘリオス、前走で1200mの適性を再確認したテイエムサウスダンも上位争いへ。

■第12回JBCレディスクラシック(G1)

 盛岡10R ダート1800m 16:40発走

 昨年の優勝馬テオレーマは引退し世代交代。ここは強力なJRA勢に対し、大井競馬所属のサルサディオーネが挑む構図。ただサルサディオーネは逃げ馬で目標になりやすく、盛岡の1800mを逃げ切るのは至難の業。2走前に盛岡で試走も済んでいるが、逃げてどこまで粘れるか。

 対するJRA勢が強力な面々。中でも今年地方交流重賞4勝のショウナンナデシコが狙い。もともと叩き良化型で、前走の3着は57kgを背負っていたことを考えれば問題なし。上積みは十分で55kgの今回は勝ち負け必至。3連勝中のグランブリッジ、レディスプレリュード(G2)を快勝して本格化のプリティーチャンス、どんな競馬もできるテリオスベルまでが押さえ。初ダートのアナザーリリックは、4月以来の競馬で脚元も見ながらの調整。輸送で絞れなければ太目残りも。ここは消しでいい。

 

■第3回JBC2歳優駿(G3)

 門別9R ダート1800m 18:00発走

 今年で3回目となるJBC2歳優駿。過去2回は地方とJRAがともに1勝だが、馬券圏内はJRA2頭に対し北海道所属馬が4頭と地元勢が優勢。

 10月20日に門別で行われた2歳地方交流重賞・エーデルワイス賞(G3)は、JRA勢が上位独占という結果。ただ1番人気の地元スティールグレイスが競走中止となっており、結果からJRA勢上位を鵜呑みにできない。やはり狙いは北海道所属馬だ。

 地方馬の中心は2戦2勝のリアルミー。前走は豪快な末脚で差し切っており、現時点での完成度は一枚上。「仕上がりは万全、父がトランセンドで距離の不安もない」とのことで、3連勝で重賞制覇も。地元の重賞2勝のベルピットも「状態は前走より上」と陣営は語っており、デビューから4連勝した際の内容を考えれば外せない。

 過去2回に好走したJRA勢は、ダートの初戦で勝利しておりダート適性が重要。またこのレースは牝馬の活躍がなく、買えるのは牡馬のみ。ここで狙えるのはエコロアレスとナチュラルリバーの2頭となる。

 一昨年は上位人気総崩れで大波乱となったが、今年も混戦模様。地方馬ながら底知れぬ素質を感じるリアルミーを中心に、ベルピット、エコロアレス、ナチュラルリバーに注目したい。


 以上、11月3日に行われるJBCすべてのレース展望をまとめてみた。週末のアルゼンチン共和国杯(G2)、京王杯2歳S(G2)、ファンタジーS(G3)、みやこS(G3)に向けて、ここでしっかりと馬券代を稼いでおきたいところだ。

仙谷コウタ

仙谷コウタ

初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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