【日経新春杯(G2)予想】人気のヴェルトライゼンデは自信の消し!割れそうな人気を逆手に取って好配当を狙う
今回は冬の名物ハンデ重賞、伝統の日経新春杯(G2)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。昨年、一昨年は中京2200mでの開催だったが特に偏りはないのでまとめて見ていく。
オリオンS(3勝クラス) 4頭
菊花賞、金鯱賞、グレイトフルS(3勝クラス) 各3頭
日本ダービー、中日新聞杯、愛知杯 各2頭
有馬記念、ステイヤーズS、札幌記念、アルゼンチン共和国杯 各1頭
オープン特別 2頭
条件特別(3勝クラス) 2頭
条件特別(2勝クラス) 3頭
となっている。G2戦の割に前走条件戦組が多めなのが特徴的。重賞の常連馬が出てくるのはもう少し先ということか。ハンデ戦ということもあって、条件戦からの転戦なら軽ハンデの利を味方に戦えるという計算も働いているのだろう。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 3-4-0-3
2番人気 3-1-0-6
3番人気 1-0-1-8
4~6番人気 1-3-5-21
7~9番人気 1-0-3-26
10番人気以下 1-2-1-60
となっている。1番人気が手堅く走っている印象。ただし、近5年でいうなら20年と21年は馬券圏外に飛んでおり、特に一昨年は上位人気がすべて飛んだので、3連単96万馬券が飛び出している。中穴クラスでもそれなりという感じで、7番人気以下が近5年で5頭、10番人気以下がそのうち2頭と1番人気の安定さとは裏腹に人気薄が健闘している。
これを踏まえて「◎」は人気サイドだが、3番ロバートソンキーとする。
前走はオールカマー(G2)。後方待機策を選択し、スローで流れる中徐々に進出していき、直線に入って外目から上がっていき、勝ったジェラルディーナと同じ上がり最速の脚で来たものの届かず2着に終わった。
オープン入り自体は昨年の8月と最近のことで、初戦の前走でジェラルディーナと0.2秒差の2着なら大健闘だ。キャリアを見てみると掲示板を外したのは菊花賞(G1)と天皇賞・春(G1)の2戦だけ。新馬戦も負けているが5着と掲示板は確保しており、上記2戦を除くとキャリア11戦で9戦まで掲示板内、8戦は馬券圏内と堅実に走ってきた。
今回の舞台となる中京2200mも神戸新聞杯(G2)でコントレイルから0.3秒差の3着に入ったほか、勝ち星もあり好相性を見せている。
今回は斤量が実質据え置きで、57kgは好走経験のある斤量だけに問題はないはず。強いて言えば鞍上の伊藤工真騎手に重賞経験が少なく、機転の利く立ち回りができるかどうかという点か。血統面でも名馬トウカイテイオーに繋がる血を引いている隠れ良血馬。ここで遅咲きの花を咲かせてもおかしくはない。
「○」は同枠の4番ハヤヤッコを挙げる。
前走は中日新聞杯(G3)。スローペースの中、後方待機策を採って追走。直線に入って前にいた馬と後ろから来た馬で大接戦になり、その中でもよく伸びて5着を確保した。
元々芝でデビューし、勝ち上がってもいたが4戦目でダートに転向。そのまま6歳初戦までダートで走っていたのだが、再び芝に復帰。その初戦となった日経賞(G2)で5着と好走したが、その後が続かず。昨年の函館記念(G3)は勝ったものの、札幌記念(G2)は10着に大敗。そこからの前走5着と波はあるが、復調を感じられる内容だった。
陣営からは距離もコースも向いているが、斤量があるので前半の追走がどうなるか、と懸念のコメントが出ている。数字で見れば58.5kgと前走より1kgもらったように見えるが、今年から平地競走の斤量が1kg上げられているため、実質据え置きである。この斤量は当然走ったことがないわけだが、それはハンデ戦でわかりにくくなっているだけで、出走全馬に言えることでもある。
適度な距離で上がり勝負にも対応できる馬だけに、ここは見逃す手はないだろう。
「▲」は人気サイドだが1番ヤマニンゼストを推す。
前走は菊花賞(G1)。トライアルと同じく後方待機策を採り、長距離戦ながら速めの流れを追走。直線では脚が上がってしまった感もあるが6着まで伸びてきた。
3歳夏までは一介の条件馬に過ぎず、2勝クラスの脱出すらできていなかったが、菊花賞出走を賭けた神戸新聞杯で12番人気ながら2着に入って優先出走権を確保。菊花賞はさすがに荷が重かっただろうが、それでも6着までは来た。4歳トップクラスとは大きく離されてしまっているが、実力は侮れまい。
今回は上記の神戸新聞杯2着のほか、勝ち星もある中京コースに戻って再度見直す手はあるだろう。斤量もだいぶ恵まれて前走から2kg減で、神戸新聞杯より軽い斤量で出られるのは好材料だ。
加えて、年頭から調子がいい武豊騎手が継続騎乗するのも心強い。レジェンドの2週連続重賞制覇、もしかすれば前日の愛知杯(G3)をも制して久しぶりの土日連続重賞制覇もかかり、注目に値するだろう。今回のメンバーなら十分好勝負可能なはずだ。
「△」は8番ヴェローナシチーと12番プラダリアの明け4歳2騎とする。
ヴェローナシチーの前走はグレイトフルS(3勝クラス)で、スタートから中団追走。直線で外目を上がっていき、前に残っていた馬を交わせたものの、後ろから勝ち馬に交わされて2着に終わった。
令和のナイスネイチャかステイゴールドか。キャリア10戦で2着4回3着3回ととにかく勝ち味に遅く、未だ1勝馬のまま。前走も1番人気に推されながら勝ちきれなかった。
陣営曰く中京コースはスムーズに走れるということで、実績馬と斤量差があるので付け入る隙はあるはず、と期待を隠さない。実際、中京では2着2回と神戸新聞杯5着があり、相性は悪くないと見る。
このレースは条件戦からの臨戦でも好走するハンデ戦らしいところがあり、そういう意味ではこの馬にもチャンスはあるはず。が、父エピファネイアが引っかかる。昨年は産駒が延べ79戦重賞を戦い、わずか1勝。今年もすでに3戦しているが勝ち星がない。早熟説、産駒の質など込みでここは大きく割り引いて押さえまで、とする。
プラダリアの前走は菊花賞で、中団を追走したものの3コーナーあたりからポジションを落としていき、結果的に7着に終わった。
新馬、未勝利を連続2着したあと、3戦目の未勝利を勝ち上がり、そのまま日本ダービー(G1)出走を賭けたトライアル青葉賞(G2)を制する。本番でも5着と掲示板は確保したが、人気になった秋初戦の神戸新聞杯を8着に敗れ、そのまま前走もいいところなしの負けを喫している。
キャリアを見る限りでは距離は長い方が良さそうで、2400m戦に良績が残っている。また、上記のヴェローナシチーと異なり、こちらは重賞を勝っている分ハンデは見込まれたのも懸念材料ではある。それでも中京ではそれなりに実績が残っているのと、勢いのある「強い4歳馬」ということもあるので、ヴェローナシチー同様、押さえまでとしておく。
人気どころでは2番のヴェルトライゼンデを自信の消し。
前走はジャパンC(G1)で、中団より前目につける積極策で競馬を進め、直線でも前の追い比べを制して伸びてきたものの、後ろから来た2頭に交わされてしまい3着に終わった。
メンバー中唯一クラシック三冠に皆勤し、ダービー3着と実績を残している。また、G2重賞の2着が3回と2歳のホープフルS(G1)2着をマークしており、明らかに実績・実力ともにトップと言えよう。
中京コースとも神戸新聞杯2着のほか、昨年の鳴尾記念(G3)を勝っており相性もいいはず。陣営からも左回りが向いていることと、力の出せる状態になっていることや馬場の悪化も不問と力の入ったコメントが出ている。
ただ、陣営も触れているように斤量がトップハンデの59kg。前走から実質1kg増ではあるのだが、これが案外効いてくる可能性がある。「ジャパンCの時ほどではない」という陣営の話もあり、完調でないのは間違いなさそうだ。そこでこの斤量となると、足下を掬われる可能性は高いだろう。
必ずしも実績馬が勝つわけではないのがこのレース。あっさり勝利も考えられるが、ここは敢えて切っておきたい。
ということで、今回は1番、3番、4番、8番、12番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。そこそこ人気しそうな馬をピックアップしたので、組み合わせ次第ではトリガミも考えられそう。一方で人気が割れそうなので、人気サイドの決着でも意外に配当が付く可能性もある。
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