「本来の感じではなかった」武豊×ウォーターナビレラが「適距離」で惨敗。京都牝馬S(G3)敗因は早熟説が濃厚か、それとも…
18日に阪神競馬場で行われた京都牝馬S(G3)は、2番人気のララクリスティーヌが中団から差し切り勝ち。昨年は同舞台のスワンS(G2)で2着に入った実力馬が、「今度こそ」と言わんばかりに重賞初制覇を決めた。
「スタートを出てから凄く手応えが良かった。なだめるぐらい元気良く走っていたので、余裕を持って運ぶことが出来ました」
レース後に手綱を取った菅原明良騎手がそう振り返った通り、スタート後は中団内目でじっくりと脚を溜めたララクリスティーヌ。「それが直線の伸びにつながりました」と最後の直線では逃げ切りを図ろうとしていたウインシャーロットをゴール手前できっちり差し切った。
昨年から1400m~1600mを中心に結果を出してきているだけに、今後はヴィクトリアマイル(G1)や安田記念(G1)の参戦も視野に入ってくるだろう。すでに両レースに参戦を表明している「白毛のアイドル」ことソダシに、新たなライバル候補誕生といったところだろうか。
その一方、4番人気に推された武豊騎手のウォーターナビレラ(牝4、栗東・武幸四郎厩舎)は、まさかの14着に終わった。
武豊騎手×ウォーターナビレラが「適距離」で惨敗…
昨年の桜花賞(G1)では2着に好走したウォーターナビレラだったが、その後のオークス(G1)、クイーンS(G3)、秋華賞(G1)はいずれも二桁着順に大敗。ただ、主戦の武豊騎手も秋華賞後には「やりたい競馬は出来ましたが、距離が長かったですね」と話していた通り、敗因が長すぎる距離にあることは明白だった。
それだけに、今回の大幅な距離短縮はウォーターナビレラにとって結果が求められる一戦だったはず。一昨年に行われた同じ阪神・芝1400mのファンタジーS(G3)では、先月のシルクロードS(G3)を勝ったナムラクレアを退けており、巻き返しを期待するファンの声も多かった。
しかし、いつものように好スタートを決めて3、4番手につけるも、鞍上が「4コーナーから直線を向く時に、本来の感じではなかった」と振り返った通り、最後の直線を待たずして怪しい手応えに……。その後はズルズルと後退していき14着に敗れるなど、先行押し切りでのし上がってきた「この馬らしさ」は最後までみられなかった。
「距離短縮は明らかにプラスだと思いましたが、残念な結果となりました。戦前には陣営も『競走条件もいいと思うし、まともに走ればいい勝負になる』と好勝負を期待していましたが、4か月の休み明けに加え、18キロ増だった馬体重も少なからず影響があったかもしれないですね。
また怪我に泣いてクラシックを棒に振ったロンも、復帰後に条件クラスで足踏みが続いている様に、シルバーステート産駒は早熟傾向が強いようにも感じます。ウォーターナビレラも適距離ながら惨敗してしまいましたから、この先は厳しい結果が続くかもしれません」(競馬誌ライター)
さらに、別のライターは調教過程の変化にもやや影響があったかもしれないと話す。
「これまでウォーターナビレラの1週前や直前の調教では、主に坂路とウッドを併用していました。しかし、今回は坂路だけ。ここのところ結果が出ていなかったので、調整過程を変えたのかもしれませんが、それが逆に馬に微妙な影響を与えたのかもしれません」(別の競馬誌ライター)
休み明け・馬体増・血統背景に加え、調教過程の違いなど様々な敗因が考えられるウォーターナビレラ。早熟説を吹き飛ばし、復活を遂げる日は果たして訪れるだろうか。
PICK UP
Ranking
11:30更新- 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
- 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
- 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
- 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
- 【オークス】石川裕紀人が滑り込みでラストチャンスをゲット!?血統的に距離延長歓迎の穴候補に浮上…カワカミプリンセス、カレンブーケドールに続けるか
- 「うまく力を出せた」2年目女性騎手が2ヶ月ぶり白星! 「負担重量の注意義務」を怠り戒告処分も…翌日1Rで名誉挽回の好騎乗
- 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
- 【NHKマイルC】“アスコリピチェーノVSジャンタルマンタル”仁義なき社台グループの頂上決戦に決着をつける不気味な伏兵!