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競走生命を奪われかねない両前脚骨折も経験!中山記念(G2)から最強馬に名乗りを上げた名馬

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 26日、中山競馬場にて伝統の古馬中距離重賞、中山記念(G2)が開催される。2017年からG1に昇格した大阪杯(G1)のステップレースとして1着馬には優先出走権も与えられるようになったが、かつては芝1800m条件戦であるこの舞台をステップに天皇賞・春(G1)へと向かう馬も少なからずいた。

 今から87年前の創設当時は春・秋の2回開催だった関係もあり、先日行われた京都記念(G2)と同じく伝統と格式が高いレースで今年は97回目を数える。過去の勝ち馬には競馬史に残る名馬の名前も並ぶ。サイレンススズカやキングヘイローもこのレースを勝っている。

 そんな名馬揃いの中で、今回は96年の勝ち馬サクラローレルについて振り返ってみたい。

 サクラローレルといえば天皇賞・春や有馬記念(G1)を制し、96年の年度代表馬に輝いた馬だが、この年の始動戦が中山記念だった。

 91年生まれのサクラローレルだが、脚元が弱かったためにデビューが遅れた。3歳1月に中山の芝1600m戦でデビューしたものの、1番人気に推されて9着に敗れた。3戦目の未勝利戦で勝ち上がり、1勝クラス(当時500万下)脱出に手間取ったが、通算6戦目で抜け出せた。

 その勢いに乗って日本ダービー(G1)出走を懸けてトライアルの青葉賞(G3・現G2)に出走。のちにダービー2着・菊花賞(G1)3着となるエアダブリンの3着に入って優先出走権の確保に成功する。

 しかし、結局ダービーを回避して9月の自己条件戦に出走し、またも3着。2勝クラス(当時900万下)を脱出することなく、菊花賞出走を懸けたセントライト記念(G2)に出走して2番人気に推されたが8着と大敗してしまった。

 結局クラシックに出走することなく、この年は条件戦を突破するだけで終了。明け4歳(当時5歳)に金杯(現中山金杯・G3)に出走し、条件戦連勝の勢いで初重賞制覇。続いて当時は2月に開催されていた目黒記念(G2)に出走して2着に入った。

競走生命を奪われかねない両前脚骨折も経験!

 勢いに乗ったところだったが、天皇賞・春に向けた追い切りで両前脚骨折の重傷を負う。競走生命を絶たれかねないほどの大怪我であったが、陣営は諦めることなく治療を続けた。

 目黒記念から約1年1ヶ月後、明け5歳(当時6歳)の復帰戦に迎えたのがこの中山記念だった。

 95年の皐月賞馬、天皇賞・秋(G1)でも2着に入った実力馬、ジェニュインが1番人気。G1勝ちこそなかったが、3歳時にトライアル2勝を挙げるなど重賞3勝のナリタキングオーが2番人気、条件戦で好走していたエーブアゲインが3番人気で、サクラローレルは前走が長距離戦だったことや、1年ぶりの実戦が嫌われて9番人気と人気を大きく落としていた。また、これまで「サクラ」の主戦を務めていた小島太騎手(現在は調教師も引退)が騎手を引退したことで、新たに横山典弘騎手に乗り替わったことも影響したかもしれない。

 レースは内枠から好スタートを切ったサクラローレルは後方待機策。ウインドフィールズとフジヤマケンザンが前で競りあう格好で、少し離れて3番手にマイヨジョンヌ、ナリタキングオーとジェニュインは中団につけて追走する。直線に向くと後方にいたサクラローレルは外へ持ち出され、前ではジェニュインが内からするする抜け出して粘り込みを図ろうとしているところを1頭だけ違う脚色で一気に抜き去り、1馬身3/4差をつけて勝利した。

 人気薄ながら無事に復帰戦を勝利で飾ると、そのまま天皇賞・春へ向かい、直線ではナリタブライアンとマヤノトップガンの叩き合いからナリタブライアンの勝利を誰もが信じたその外からサクラローレルが難なく交わし、重賞連勝で初G1制覇を遂げる。

 結局この年は天皇賞・秋こそバブルガムフェローに屈して3着に敗れたが、5戦して4勝。天皇賞・春と有馬記念のタイトルを獲って年度代表馬に輝いた。

 競走生命が絶たれる可能性もあった大怪我から見事に復活し、一気に年度代表馬にまで上り詰めた96年。その重要なステップになったのが人気薄を覆して勝利した中山記念だった。

GJ 編集部

GJ 編集部

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