
【オーシャンS(G3)展望】昨年の高松宮記念覇者が始動!混戦スプリント界の「新星候補」4歳馬2頭も登場!

3月4日、中山競馬場では高松宮記念(G1)に向けてのステップレース・オーシャンS(G3)が行われる。昨年はこのレースの1~2着馬が春と秋のスプリント王に輝いたが、今年もこのレースから出世を果たす馬は現れるか。早速展望していこう。
昨年の2着馬で、続く高松宮記念を8番人気で制したナランフレグ(牡7歳、美浦・宗像義忠厩舎)が今年の始動戦を迎える。
高松宮記念の後は適鞍がなく、安田記念(G1)に出走。芝では自身初のマイル挑戦となったが、後方から直線で脚を伸ばして、勝ち馬から0秒4差の9着とまずまずの走りを見せた。
秋はぶっつけでスプリンターズS(G1)へ。いつも通り後方でじっくりと構えると、上がり最速タイの脚を使って3着に追い込み、改めて地力の高さを証明した。その後は香港スプリント(G1)で初めての海外競馬に挑戦。海外の快速馬に挑戦状をたたきつけたが、あえなく10着に沈んだ。
その後は放牧に出され、1月下旬に美浦に帰厩。坂路を中心に入念に乗り込まれている。1週前追い切りで素軽い動きを披露すると、管理する宗像師は『サンケイスポーツ』の取材に「ここまで予定通りにきていますよ」と順調そのもの。前哨戦といえども、G1馬としては負けられない一戦を迎える。
ナランフレグに次ぐスプリント実績を誇るのが、昨夏のキーンランドC(G3)をテン乗りだったC.ルメール騎手とのコンビで制覇したヴェントヴォーチェ(牡6歳、栗東・牧浦充徳厩舎)だろう。
同レースでは、スタート後の不利もあって道中は中団後方を追走。勝負所でスペースが空いた内を突くと4角で外を回った各馬を尻目にうまく抜け出し、ウインマーベルをゴール前で差し切った。
その後は、西村淳也騎手とのコンビでスプリンターズSへ。好スタートを切り、道中は中団外目を進むと、直線で大外に持ち出されたが、ジリジリとしか伸びず。最後は中団からそのままなだれ込む形で11着に敗れた。
ただし、その日の中山芝はイン有利な馬場。外を回った分、力を出し切れなかったと考えていいだろう。今回は再びルメール騎手に乗り替わって、重賞ウイナーとしての意地を見せたい。
昨年のダービー卿CT(G3)で大外一気の差し切り勝ちを収めたタイムトゥヘヴン(牡5歳、美浦・戸田博文厩舎)は、これが初のスプリント戦。
3歳時には京成杯(G3)とニュージーランドT(G2)で2着、富士S(G2)でも3着と、マイルを中心に重賞でも善戦していた。その後はリステッド競走で3連敗したが、ダービー卿CTでは展開も味方に鮮やかな末脚を見せた。
続く7ハロン戦の京王杯SC(G2)でも3着に入ったように、今回の距離短縮はそれほど心配はいらないだろう。母キストゥヘヴンから受け継いだ中山巧者ぶりを発揮できれば、一発もあるか。
もう1頭の中山巧者、マリアズハート(牝7歳、美浦・菊沢隆徳厩舎)の末脚も侮れない。
昨年のスプリンターズSでは、上がり最速タイの末脚を使って0秒5差の8着に善戦。その後も京阪杯(G3)4着、シルクロードS(G3)5着と、牡馬相手に重賞で大崩れしていない。今回も展開次第で上位争いに加わってくるだろう。
昨夏の函館スプリントS(G3)でナムラクレアの2着に好走したジュビリーヘッド(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)は、前走カーバンクルS(OP)でオープンクラス初勝利を飾り勢いに乗る。
これまでスプリント戦において、4角を3番手以内で通過した時は「3-2-0-0」とパーフェクト連対を継続しており、今回も位置取りがポイント。好位から運べれば怖い存在だ。
3勝クラスを勝ったばかりの4歳馬2頭はここが試金石。
エイシンスポッター(牡4歳、栗東・吉村圭司厩舎)は、2走前の知立S(3勝クラス)でマッドクールの2着に好走し、前走のファイナルS(3勝クラス)を4角13番手から差し切って順当に勝ち上がった。強烈な末脚は、いきなり重賞で通用してもおかしくない。
キミワクイーン(牝4歳、美浦・奥村武厩舎)は、スプリント路線に転向してから本格化。この距離では3戦2勝、2着1回と底を見せていない。長距離輸送を伴わない関東圏(東京・中山)では、3戦3勝といまだ負けを知らない点も不気味だ。
これ以外には、前走・ルミエールAD(L)を勝って、これが重賞初挑戦のジャズエチュード(牝5歳、美浦・黒岩陽一厩舎)、2歳時に京王杯2歳S(G2)2着の実績があるロードマックス(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)などもチェックしておきたい。
1着馬に高松宮記念への優先出走権が付与されるこのレースを制するのは果たしてどの馬か。オーシャンSは3月4日、15時45分に発走予定だ。
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