
坂井瑠星「とてもハッピー」の裏で東西若手トップは見せ場無し…リーディング、勝率、複勝率で上回っても存在感に雲泥の差

先月の現地時間25日、サウジアラビアで行われた1351ターフスプリント(G3)は日本のバスラットレオンが逃げ切り勝ち。昨年のゴドルフィンマイル(G2)に続き、海外重賞2勝目を飾った。
「とてもハッピーです。スタートが良かったですし、道中も良かったです。直線の手応えも良くて、反応してくれました」
そう喜びを口にしたのは、鞍上の坂井瑠星騎手だ。前走の阪神C(G2)は川田将雅騎手に手綱が移ったものの、再び回ってきたチャンスで勝負強さを発揮。先日にはレモンポップをフェブラリーS(G1)制覇に導いた若武者が、海外でもその存在感を十分に示した。
一方、東西若手トップの横山武史騎手と岩田望来騎手は、日本の両重賞でそれぞれ1番人気に推されるも完敗。前者は中山記念(G2)をソーヴァリアントで9着、後者は阪急杯(G3)をグレナディアガーズで7着と、主役を任されながら厳しい結果に終わった。
先週は川田騎手、C.ルメール騎手、福永祐一騎手、B.ムルザバエフ騎手らトップジョッキーたちが、サウジ遠征のため揃って不在。彼らがいれば、誰かがソーヴァリアントやグレナディアガーズに騎乗する可能性もあったため、横山武騎手や岩田望騎手にとっては絶好のチャンスだったはずだ。
レース後にはソーヴァリアントの横山武騎手が「こんなに負ける馬ではないのですが……」と首を傾げれば、グレナディアガーズの岩田望騎手は「今日に関しては、力を出し切れなかった」と不完全燃焼のコメント。どちらも本来の実力を発揮できなかったようだが、大チャンスを逃してしまったことに変わりはない。
「先週は横山武騎手が7勝、岩田望騎手が4勝とどちらも好調でしたが、肝心の重賞では悔しい結果となりましたね。横山武騎手は昨年の宝塚記念(G1)以来8か月ぶり、岩田望騎手は昨年の京都金杯(G3)以来1年1か月ぶりの重賞1番人気だっただけに残念です。
一方で、坂井騎手は先週もサウジで活躍するなど、勢いが凄まじいですね。リーディング、勝率、複勝率などでは2人に劣りますが、昨秋から秋華賞(G1)、朝日杯フューチュリティS(G1)、フェブラリーSを立て続けに勝利。最近の充実ぶりには目を見張るものがあります。存在感ではライバル2人を凌駕している印象です」(競馬誌ライター)
2年前にはG1・5勝を挙げるなど、大ブレークした横山武騎手だが、昨年は意外にもG1未勝利。昨春のG1シリーズでは、人気を裏切る場面も目立った。最高のパートナーだったエフフォーリアも、先月の京都記念(G2)を最後に引退。ここからは正念場となりそうだ。
また、岩田望騎手も近年は成長著しいとはいえ、G1ではロータスランドの高松宮記念(G1)2着が最高。大舞台ではまだ勝利経験がなく、やや頼りない印象が否めない。今後は如何に重賞で結果を残せるかどうかが、G1初制覇の鍵となるだろう。
今月から高松宮記念を皮切りに春のG1シリーズがスタートする。どちらも東西若手トップの実力者として意地を見せたいところだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
関連記事
「とても3歳馬とは思えない」スプリント界の新星候補が破竹の4連勝!ハクサンムーン育ての親も絶賛、順調ならスプリンターズSで大仕事も?
ダノンザキッド「鬼門」の中山でまたも悪夢…2度目のゲート再審査でドバイ遠征も中止と踏んだり蹴ったり
武豊「斜行戒告」に賛否両論、被害馬と加害馬はどれ? 大荒れ中山記念(G2)に激怒するファンも…「後味の悪さ」残した勝負どころの攻防
弥生賞3着から日本ダービー6番人気で勝利!巧みな手綱さばきで伝説を成し遂げたジョッキーの相馬眼、買うべき3頭とここで負けても構わないという思惑
ダートでは過去に惨敗した経験のみ…「世界のYAHAGI」が歴史的快挙! 「13億円」ゲットのパンサラッサはなぜサウジCを勝てたのか?