
川田将雅、C.ルメールを凌駕する150%超えの回収率! キタウイングとともに大きな飛躍を狙う“ミルファーム主戦”杉原誠人騎手は隠れた芝の名手

春のクラシック戦線に向け、今週から桜花賞(G1)、皐月賞(G1)のトライアルレースが始まる。
4日のチューリップ賞(G2)で上位人気が予想されるキタウイング(牝3、美浦・小島茂之厩舎)には、杉原誠人騎手が騎乗する。まずは前哨戦で好勝負をして、本番へ弾みをつけたいところだろう。
杉原騎手といえば、個性派集団ミルファームの主戦騎手であり、あの赤白の格子柄の勝負服でおなじみの存在だ。昨年には自身初の重賞制覇を果たし、今年のフェアリーS(G3)で早くも重賞2勝目をあげた勢いのあるジョッキーである。
純粋に成績だけを見れば、昨年は12勝、一昨年は9勝で全国リーディングは67位、81位と決して目立つ存在ではない。以前は年間20勝以上をあげることもあったが、ここ数年は10勝前後で推移しており、競馬ファンからしたら関東の中堅騎手の1人という印象に過ぎないかもしれない。
だが、杉原騎手の騎乗成績を分析してみると、実はC.ルメール騎手や川田将雅騎手といった超一流ジョッキーを上回るほどの高回収率を誇る“隠れた芝の名手”であることがわかる。
川田将雅騎手、C.ルメール騎手を凌駕する150%超えの回収率!

2020年から先週まで、杉原騎手は1054レースに騎乗。成績は38-38-56-922(勝率3.6%、連対率7.2%、複勝率12.5%)であり、決して優秀とは言えない。ただし、騎乗回数のうちおよそ半分(計480レース)は単勝100倍以上で、ほぼノーチャンスの馬に乗る機会も多く、トータル成績が上がらないのは無理もないだろう。
しかし、単勝100倍未満の馬に限れば、成績は勝率6.4%、連対率12.5%、複勝率21.6%までに上昇する。その単勝回収率はなんと120%であり、単勝ベタ買いでも十分な数値だ。ルメール騎手の単勝回収率は70%、川田騎手の単勝回収率は87%であるから、両者と比較してもはるかに高い数値を残している。
また、杉原騎手はダートより芝の方が好成績なジョッキーであり、2020年以降の全38勝のうち26勝を芝のレースであげている。そこで、芝のレースで単勝100倍未満の馬に騎乗したときの成績を調べてみると、単勝回収率は155%という驚異的な数字を記録していた。また、同条件であれば今年を含めて4年連続で複勝回収率が100%を超えており、安定感も抜群だ。
さらに補足すると、騎乗数の少ない関西の競馬場を除けば、どの競馬場でも高い回収率を残している。特にマイル前後の距離(芝1400m~芝1800m)で成績が良いので、該当するレースに騎乗していた際には見過ごし厳禁と言えるだろう。
この成績を見れば腕のある騎手なのは確実だが、名前だけで馬券が売れる存在とまでは至っていない。まだ“バレていない”お得な騎手として、馬券購入の際に注目してみるのはいかがだろうか。
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