
JRA牝馬限定をスルーして強気の金鯱賞挑戦! 「重賞28連敗」から中山記念と弥生賞を優勝した松山弘平…「単勝227.3倍」の舞台に思わぬ落とし穴?

12日、中京競馬場で行われる金鯱賞(G2)。大阪杯(G1)を見据える古馬の中距離重賞には、春の飛躍を誓う実力馬が参戦することで知られるレースだ。
登録馬は13頭と少ないが、その半数を超える7頭が重賞勝ちの実績を持つ。川田将雅騎手が騎乗予定のプログノーシスに人気が集まりそうだが、こちらはまだ重賞勝ちもないだけに、どの馬が勝っても驚けない混戦模様となっている。
中でも異色の存在は、前日の土曜に牝馬限定重賞である中山牝馬S(G3)があるにもかかわらず、牡馬相手のG2にぶつけてきたマリアエレーナだろう。もう1頭の牝馬ルビーカサブランカは金鯱賞とダブル登録。場合によっては2頭が参戦ということもありそうだ。
牡馬の強力メンバー相手とはいえ、マリアエレーナにまったく勝算がないかといわれるとそうでもない。中京コースは【2.3.2.2】と相性は悪くなく、金鯱賞と同じ中京の芝2000m条件で行われる愛知杯(G3)では昨年2着、今年3着と好走した。
となると、ヒンドゥタイムズやジェラルディーナらの強敵相手に5馬身差で圧勝した小倉記念(G3)の再現に期待したくなる。昨年の天皇賞・秋(G1)は、2コーナーの入りで斜行したノースブリッジに進路を塞がれる致命的な不利を受けて7着。スムーズならさらに上位に肉薄できたはずだ。

また、主戦を任される松山弘平騎手が復調したことも追い風である。同騎手は昨年の京都大賞典(G2)をヴェラアズールで制した後に重賞28連敗。その間に三冠牝馬デアリングタクトの衝撃的な降板やガイアフォースの乗り替わりも経験した。
そんな悪循環を断ち切ってくれたのが、堀宣行厩舎の2頭である。ヒシイグアスとコンビを組んだ中山記念(G2)で連敗ストップに成功しただけなく、タスティエーラに騎乗した翌週の弥生賞ディープインパクト記念(G2)も優勝。プログノーシスを擁する中内田充正厩舎と川田騎手の黄金タッグに匹敵する好相性ぶりが目立つ勝利だった。
「単勝227.3倍」の出た舞台に思わぬ落とし穴?
その一方、復調著しい松山騎手にとって、金鯱賞は苦い思い出のある舞台でもある。なぜなら2年前のこのレースで単勝1.4倍の断然人気を裏切る2着に敗れたのが、松山騎手とデアリングタクトのコンビだったからである。しかも大波乱の立役者となったのは、10頭立ての最低人気で参戦したギベオンと西村淳也騎手のコンビ。ハナを奪ってマイペースに持ち込むと、あれよあれよの逃げ切りで、単勝227.3倍の大金星を手に入れた。無敗の三冠牝馬と確勝を期していた松山騎手にとっても屈辱だったはずだ。
そして今回、不安材料となりそうなのは騎乗馬が堀厩舎から吉田直弘厩舎の管理馬となることだ。こちらはダートの活躍馬を出す名門として知られる厩舎だが、芝ダート問わずG1馬を輩出している関東の名門と比べると見劣りは否めない。
小倉記念で演じた圧巻のパフォーマンスを思うと、惜敗の多い中京よりも小倉巧者の可能性もあるマリアエレーナ。ここを勝つようなら大阪杯でも有力馬の1頭に数えられる存在となるだけに、結果が欲しいところだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新JRA「謎の主取り」ディープインパクト産駒「大盛況」も唯一の敗者……セレクトセール「平均2億円」ディープ特需に埋もれた“13番目の男”とは
JRA“6億円馬”ディナシー「セレクトセール最高落札馬は走らない」負の格言代表的存在が繁殖牝馬セールへ
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- キタサンブラック産駒を超高価格で落札「謎の購買者」が2年連続で話題に? 昨年の落札馬は「有名オーナー」の名義に
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- JRA「6億円」の衝撃から3年、まさかの「名義変更」から2カ月。アドマイヤが“北の大地”で存在感を示す!
- JRAも「G1同日開催」を増やすべき? 香港春競馬「大変革」に日本競馬の進化を求める声も……