GJ > 競馬ニュース > ヤマニンゼファー死亡  > 2ページ目
NEW

ヤマニンゼファー死亡……ふたりの騎手にG1初制覇をもたらした名馬の数奇な運命

【この記事のキーワード】, ,

 見事に連覇を成し遂げたヤマニンゼファーは次走の毎日王冠(G2)で6着とつまずくも、天皇賞・秋に出走。このレースには田中騎手を背に乗せたセキテイリュウオーの姿もあった。レースで1番人気に推されたのはライスシャワー、ヤマニンゼファーは5番人気、セキテイリュウオーは6番人気とあまり注目を受けていたとは言い難い。だが、結果としてこの2頭がこのレースの主役となっている。

 スタート直後、内枠のツインターボが後続に最大5馬身差をつける大逃げを打つ。快調に飛ばしていたツインターボだったが、それも4コーナーまで。そこから後続に捕まってしまい、直線に入る頃にはすでに差はなくなっていた。

 直線に入るとどの馬も仕掛け始めるが、その中から飛び出したのがヤマニンゼファーだった。注目のライスシャワーは馬群を抜けて前に出ようともがくも脚がなく伸びない。

 このままヤマニンゼファーが勝利するかと思いきや、大外から猛烈な末脚を使いセキテイリュウオーがトップに並びかけ、一時は先頭を奪う。このセキテイリュウオーの勢いを認識したのだろう。柴田騎手は愛馬の進路を外に向け、セキテイリュウオーに併せることを選択する。

 直線200mからは2頭の熾烈な叩き合いが開始され、100mを過ぎる頃には他の馬たちを引き離していた。終わりのしれない叩き合いはどちらも引かず、そのまま2頭並んだ形でゴール板の前を駆け抜ける。どちらが勝ってもおかしくなかった。だが、軍配はヤマニンゼファーに上がり、無情にもセキテイリュウオーはハナ差で敗れた。

 レース後のインタビューでは柴田騎手は、最後の直線はすごかったですねという問いに対し「敗けられないという気持ちはありました。よく差し替えしてくれた。馬に感謝ですね」と語り、ゴール直後に勝利を確信できたかという問いには「ハナか、頭は、勝ったと思ったんですけど、2着の人(田中騎手)に聞いたら、わからないといわれて自信なくなりました」と最後の最後まで混戦だった激闘を振り返っている。

 この勝利で柴田騎手はG1、2勝目をあげた。一方、降りた田中騎手はこれ以後、コンスタントに勝利を上げるもG1には縁がなく、次にG1制覇を成し遂げるまで15年間を要することとなった(2007年、皐月賞・ヴィクトリー)。

 田中騎手はヤマニンゼファーに乗り続ければもっと早くにG1・2勝目を達成し、そして柴田騎手のG1初勝利にはもう少し時間がかかったのかもしれない。

 競馬に”if”はないが、もし歯車がひとつ違ったらまた違うドラマを演出してくれていたのだろう。多くの人に感動を与えてくれたヤマニンゼファーの冥福を祈りたい。

ヤマニンゼファー死亡……ふたりの騎手にG1初制覇をもたらした名馬の数奇な運命のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  2. 岩田望来「素行不良」で追放されても重賞4勝目ゲット! 減量トラブルや夜遊び発覚した「問題児」が干されなかったワケ
  3. 府中の大ケヤキ、実は「偽名」だった!? 伐採試みた作業員が死亡、サイレンススズカも散った「魔の第3コーナー」の怪、ダービーが行われる東京競馬場の都市伝説に迫る
  4. 競馬版『無限の住人』!? 米最高峰の舞台に立った「独眼竜」馬に熱視線も、意外と多い「隻眼の強豪」
  5. JRA追放者と本宮ひろ志の力作、 幻の競馬漫画「勝算(オッズ)」を知っているか?
  6. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  7. JRAファン感でルメール騎手が「ブチギレ」!? フランス語でまくし立て後輩騎手を”ガラス瓶”で殴打!顔面蒼白デムーロ騎手「ウソでしょ……」
  8. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  9. JRA荻野極と横山武史が「誤爆」で一触即発!?「ふざけんな!ナメてんのか!」1番人気大敗の腹いせにタオル投げるも……
  10. 約38年間のジョッキー生活に別れを告げた「二刀流の鉄人」。雨にけむる府中で人気薄と果たした「最年少G1制覇」【競馬クロニクル 第43回】