安田記念(G1)勝利ならセリフォスはタイキシャトル級!? ダノンスコーピオンらに当てはまる「絶望データ」と、ガイアフォースらに当てはまる「後押しデータ」

4日、東京競馬場では春のマイル王を決める安田記念(G1)が行われる。
出馬表を見てひと際目立つのは、5歳馬の層の厚さだろう。白毛馬ソダシを筆頭にソングライン、シュネルマイスター、ジャックドールら上位人気が予想される馬はそろって2018年生まれの同世代である。
一方で、1つ下の4歳馬は6頭と頭数こそそろっているものの、上位人気に推されそうなのは、昨年のマイルCS(G1)を制したセリフォス(牡4歳、栗東・中内田充正厩舎)くらい。5歳馬とは1年キャリアが短いこともあって、他の5頭(ダノンスコーピオン、ガイアフォース、ナミュール、レッドモンレーヴ、マテンロウオリオン)は、ワンパンチ欠ける印象は否めない。
それでも年齢的には伸び盛りの4歳馬。上位独占は難しいにしても、この中の1~2頭が馬券に絡んでも全く不思議はないだろう。そこで4歳馬に関わるデータを詳しく調べると、ある興味深い傾向が浮かび上がった。
それが「前年の秋にマイルCSを走ったこと」である。
2000年以降の安田記念で、3歳時にマイルCSを走っていた明け4歳馬は30頭いた。だが、「0-3-0-27」(勝率0.0%、複勝率10.0%)と成績は低調。3頭が2着に入っているものの、勝ち馬は1頭もいなかった。
一方、理由は不明だが同期間で3歳秋のマイルCSに不出走だった4歳馬は「6-5-5-53」(勝率8.7%、複勝率23.2%)の好成績。馬券的な狙い目は圧倒的に後者といえそうだ。
なお、今年の4歳馬のうち昨秋のマイルCSに出走していたのはセリフォス、ダノンスコーピオン、マテンロウオリオンの3頭。いずれも昨年のNHKマイルC(G1)でも4着以内に好走していた、生粋のマイラーたちでもある。
片やマイルCS不出走組のガイアフォース、ナミュール、レッドモンレーヴの3頭は、昨年のNHKマイルCにも出走していなかった。このうちガイアフォースは菊花賞(G1)で1番人気に推され、ナミュールは牝馬三冠路線を歩んだように、3歳時点ではマイラーと呼ばれる存在ではなかった。
安田記念(G1)勝利ならセリフォスはタイキシャトル級!?
データ的には後者のマイルCS不出走組が優位だが、前者の中でデータを覆して勝利すれば、一気に歴史的名馬の仲間入りとなりそうなのがセリフォスだ。
実は2000年より前に、3歳時のマイルCSに出走しながら翌年の安田記念を制した馬がいる。それが歴史的名マイラーのタイキシャトルだ。同馬は1990年代後半の短距離路線で無双。国内外でG1を通算5勝し、その活躍は今も語り継がれている。
そんなタイキシャトル以外にも3歳秋のマイルCSを勝ち、翌年の安田記念に出走した馬は3頭いたが、いずれも安田記念では着外に敗れている。
【3歳秋にマイルCSを勝って4歳春の安田記念に出走した馬とその成績】
98年 タイキシャトル(1番人気1着)
01年 アグネスデジタル(6番人気11着)
18年 ペルシアンナイト(2番人気6着)
19年 ステルヴィオ(5番人気8着)
もしセリフォスが並み居る強豪5歳馬たちを退け、秋春マイル王に輝けば、タイキシャトル級の名マイラーと呼ばれる未来が待っているかもしれない。今年の安田記念は4歳馬たちの争いに注目してみても面白いのではないだろうか。
PICK UP
Ranking
5:30更新
JRA 武豊は信頼度抜群!? 一球入魂ならぬ「一鞍入魂」の信頼度は本当か。川田将雅、横山典弘などトップジョッキーにみる「1日1鞍」限定の“勝負駆け”を探る!
JRA有馬記念(G1)「伝説の逃走劇」はキタサンブラックでも、ダイワスカーレットでもなく、あの馬!? 前走4馬身圧勝から狙うレジェンドの再現
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?- JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
- 東京競馬場に約20万人が殺到!? 朝6時からの大行列、怒号飛び交う陣取り合戦、そして…競馬が最も熱い時代、歴代最多入場者を記録した当時の記憶
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは
- 今の競馬ファンは「ハズレ馬券」を投げ捨てない? 競馬場から姿を消した「敗者の断末魔」と感情のままに宙を舞い続けた「ハズレ馬券」の現在
- 巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 【有馬記念】「使い分け」に一石投じた戸崎圭太が意地!ルメールキラーが3勝目で今年の屈辱もスッキリ?
















