
日高・ヤナガワ牧場が「高確率G1勝利」! 繁殖の質にかかわらず活躍馬送り出す「絶大なる血」の力

5日に船橋競馬場で行われた地方交流G1・かしわ記念。勝ったのは武豊騎乗のコパノリッキーで、ノンコノユメやモーニンら強豪を向こうに回しての見事な勝利だった。
このコパノリッキーを生産したのは、北海道・日高のヤナガワ牧場。社台グループに代表される大牧場とは、人員や実績など規模の観点からいえば比較にならないわけだが、このヤナガワ牧場が近年、異例の大躍進を遂げていると話題だ。
1日に行われた天皇賞・春。このレースを制したのも、同牧場で生産されたキタサンブラック。1週間の間に生産馬が2度G1を制するという離れ業である。それだけにとどまらず、コパノリチャード(2014高松宮記念)をふくめ、ここ3年間で中央G1を5勝しているのだから驚きだ。
キタサンブラックの父はブラックタイド。7冠馬にして種牡馬リーディングのトップをひた走るディープインパクトの全兄。コパノリッキーの父はダートの強豪を数多く輩出するゴールドアリュール、コパノリチャードはリーディング上位の常連、ダイワメジャーということで、活躍した馬たちの父系は決して悪い血統ではないものの、繁殖牝馬という点でいえば、それこそ社台ファームが保有する牝馬とは雲泥の差があり、近親の活躍馬も極めて少ないというのが事実である。
他にも、ここ2年間でG1競走を4勝している戸川牧場も似た部分がある。同牧場の場合、昨年の年度代表馬モーリスがG1勝利の全てなわけだが、同馬の母メジロフランシスもまた、現代競馬においては決して良血とは言い難い。年間生産頭数が10頭前後という状況から最強馬を輩出したことはまさしく偉業だろう。
お世辞にも充実しているとはいえない繁殖牝馬ラインナップ、にもかかわらず活躍馬を生み出せる現実。もちろんどの牧場にも可能性があるのは間違いないが、具体的な理由があるのだろうか。
「国内産種牡馬全体の質が年々向上しているのは間違いないでしょう。ディープインパクトやキングカメハメハに代表される、種付け料だけで1,000万円を超えるような『超高級種牡馬』でなくとも、活躍馬を送り出せるようになってきました。モーリス、ゴールドアクターの父であるスクリーンヒーローやブラックタイドなど、種牡馬としての期待度が低かった2頭がこうして台頭することはバラエティに富むという点で競馬界にとってのメリットは大きい。金銭的に高級種牡馬を種付けするのが厳しい牧場にとっても有り難い傾向になってきていると思います」(競馬記者)
さらに記者は、こうした中小牧場、安値の種牡馬が台頭してきた最大の理由として、サンデーサイレンスの存在の偉大さを挙げる。
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