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活躍約束された「世代トップ」がまさかの伸び悩み? 岩田望来、菅原明良の台頭で存在感に翳り…父の全面バックアップと名門厩舎の解散が転機となるか

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斎藤新騎手 撮影:Ruriko.I

 岩田望来騎手、菅原明良騎手などが全国リーディング上位に食い込んでいる騎手課程第35期世代。デビュー5年目を迎えて重賞レースでもその存在感を増している。今年の高松宮記念(G1)を12番人気のファストフォースで制し、G1初制覇を達成した団野大成騎手もまた、この世代の注目株の一人だ。

 ただ同期騎手の活躍が目立つ一方で、彼らがデビューした2019年に最多勝利新人騎手のタイトルを獲得した斎藤新騎手は、思いのほか伸び悩んでいるようだ。

 42勝を挙げた初年度こそ同期トップの勝ち星をマークしたものの、2年目以降は35勝→34勝→35勝とほぼ横ばい。ジョッキーベイビーズで優勝、アイルランド大使特別賞を受賞した若手の有望株だったが、今や全国区になりつつある岩田望騎手や菅原明騎手に勝ち数で「ダブルスコア」の差をつけられている状況だ。

 これには本人も思うところがあるだろうが、こちらについては父の斎藤誠調教師も同じ気持ちかもしれない。

 自身は関東の調教師リーディングで名門・堀宣行厩舎に次ぐ2位、全国リーディングでも7位と好調。この勢いなら昨年の8位を上回る成績も残せそうだが、実は今年20勝を挙げ、うち7勝は斎藤騎手とのコンビによるものだ。

「斎藤騎手は周知の通り、関東の斎藤調教師の子息です。同騎手は元々の評価も高かった上に所属厩舎もリーディング常連の安田隆行厩舎。そういった背景もあって、デビュー前から活躍が約束されたようなものでした。

2人の関係を考えれば、父の厩舎に所属する可能性もあったはずですが、意外にも関西でのデビュー。こちらについては最初から親の元でとなると、“親の七光り”のイメージがつきかねないということで避けたのではないかという話もあります」(競馬記者)

 ただ、表向きは安田隆厩舎の所属でも最初から父のバックアップは凄かった。関西の騎手にもかかわらず、騎乗依頼の内訳は所属の安田隆厩舎よりも多いのだ。これだけを見ると実質関東の騎手といってもおかしくないほどである。

父の全面バックアップと名門厩舎の解散が転機となるか

「実際、いずれは美浦の所属になって父の厩舎をベースにするのではないかという噂もチラホラ聞こえ始めています。というのも安田隆調教師は70歳で来年2月に定年引退が決まっているからです。タイミングとしては安田隆厩舎の解散後に何らかの動きがありそうです。

もしそうなると鞍嵌りの良さなど、技術的な評価は高い斎藤騎手ですから、キッカケひとつ。父の後ろ盾を最大限に活かせれば巻き返せるでしょう。現在はまだ水面下での話ということですが、現実味はありますね」(同)

 今年のオークス(G1)でも、15番人気ドゥーラを3着に持ってきた斎藤騎手。実力には定評のある騎手だけに、再び上昇気流に乗ることができれば、リーディング上位に名を連ねるのも夢ではない。かつての世代トップは輝きを取り戻せるだろうか。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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