
ラジオNIKKEI賞(G3)「先約優先」M.デムーロに大誤算? 父ゴールドシップの期待馬が乗り替わり…「1800スペシャリスト」が挑む大本命狩り!

G1馬8頭の参戦で例年以上の盛り上がりを見せた宝塚記念(G1)が終了し、7月を迎える今週末から本格的に夏競馬のシーズンが到来。秋のG1開催はしばらく先だが、デビューを控える2歳馬たちの登場もまた楽しみのひとつだ。
そんな中、今週のラジオNIKKEI賞(G3)は、メンバー的にも馬券の妙味的にも面白いレースとなりそうである。
『netkeiba.com』が公開している予想オッズによると、戸崎圭太騎手が騎乗を予定しているレーベンスティールが29日現在で断然の1番人気。このままいくとレース当日も大本命に推されそうな雰囲気だ。
額面上では4戦2勝の成績も、これには皐月賞(G1)を無敗で制したソールオリエンスに敗れたデビュー戦の2着も含まれてのもの。世代トップクラスの実力馬相手にクビ差の接戦を演じた実績は、このメンバーでは頭一つ抜けた存在といっていいだろう。
ただ、人気馬がそう簡単に勝てないのもラジオNIKKEI賞の傾向である。過去10年で1番人気はわずか2勝と振るわず、8番人気の2勝と変わらないのだ。3連単の払戻も10万円を超えた年が5回、平均配当でも19万円を超えているのだから、荒れに荒れている。
そうなると、食指を伸ばしたくなるのは人気の盲点となっている隠れた実力馬。中には大本命必至のレーベンスティールを負かした馬もいるだけに侮れない。
舞台となる福島競馬場の週末の天気は流動的だが、馬場が渋るようなら狙ってみたいのはセオ(牡3、栗東・上村洋行厩舎)だ。
こちらは3月に中山競馬場で行われた1勝クラスで、レーベンスティールを真っ向勝負で破った逸材。このときは生憎の不良馬場での開催だったが、逃げたセオと2番手のレーベンスティールが並行する格好で最後の直線に突入するマッチレースを演じている。
4コーナーを向いて一度は先頭に立った相手をコーナーワークで抜き返し、ゴールまで交わされずにアタマ差凌いで勝利。相手にこれといった大きな不利もなく、3着馬が7馬身も置き去りにされたのだから価値がある。これには不覚を取った戸崎騎手も「勝ち馬に上手に乗られた」と嘆くしかなかった。
単純比較ならセオが対抗格の筆頭となりそうなところだが、こちらはこちらで前走の白百合S(L)を3着に敗戦。本馬を負かした勝ち馬のバルサムノート、2着アイスグリーンの評価も相対的に引き上げる必要が出てくる。かといって、これらも他の出走メンバーに負けた過去もあるため “じゃんけん”のような様相を呈している。

どの馬も一長一短となりそうな状況下で魅力的な存在を挙げるなら、石川裕紀人騎手とのコンビで挑む素質馬マイネルモーント(牡3、美浦・高木登厩舎)は、ぜひ狙ってみたい。

デビューから続けて手綱を取ってきたM.デムーロ騎手がこの馬ではなく、『netkeiba.com』の予想オッズで現在12番人気のスズカハービンに騎乗することに違和感はあるものの、本馬を所有するラフィアンターフマンクラブの公式HPによると、先約があって乗れなかった様子。その結果、石川騎手が代打に指名された訳だが、それはそれで好都合かもしれない。
何しろ、石川騎手はこれまで重賞7勝を挙げたうち5勝が1800mというスペシャリストなのだ。昨年のチャンピオンズC(G1・ダート1800m)では見事な手綱捌きでジュンライトボルトを勝利へ導いた実績もある。自身の重賞初勝利も2017年にセダブリランテスで制したラジオNIKKEI賞と相性のいいレースだ。
またゴールドシップ産駒であることも、同馬の父ステイゴールドやその産駒ナカヤマフェスタを父に持つ馬が勝利を挙げているなら心強い。小回りの中山で圧勝したセンス、直線の長い東京で瞬発力勝負を制した自在性は福島でも大きな武器となる。
デムーロ騎手といえば、エエヤンに騎乗したニュージーランドT(G2)を快勝しながらも、先約のクルゼイロドスルを優先した結果、本馬の回避によってNHKマイルC(G1)を“見学”になってしまったことは記憶に新しい。
このときと同じく先約の優先で実力馬の手綱を他の騎手に譲るのは、デムーロ騎手としてもツキがない? 大本命レーベンスティールに対し、マイネルモーントは同7番人気想定と配当妙味十分。石川騎手には好騎乗で6年ぶりのラジオNIKKEI賞優勝を決めて、デムーロ騎手を大いに悔しがらせてほしいものである。
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