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「伝説の新馬戦」はイクイノックス以上のインパクト!?「キズナ祭り」総大将は再び厚い壁も…5馬身差で「着差以上」の大物登場

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「伝説の新馬戦」はイクイノックス以上のインパクト!?「キズナ祭り」総大将は再び厚い壁も…5馬身差で「着差以上」の大物登場の画像1
撮影:Ruriko.I

 夏のグランプリ宝塚記念(G1)は、単勝1.3倍の圧倒的1番人気に応えたイクイノックスが優勝。3連勝中だったG1の連勝を4に伸ばし、改めて現役世界最強に相応しい実力を見せつけた。

 これに対し、宝塚記念のレース前まで大きな注目を集めていたのはキズナの産駒だ。

 ギャンブルブルームが圧勝した5Rを皮切りに、その後も8R~10Rの3連勝を含む1日4勝。レース当日の実況を担当したアナウンサーからも、この日の阪神はキズナの日というニュアンスの言葉も飛び出した。

 この傾向に色めき立ったのは、宝塚記念に出走するディープボンドを支持しているファンだ。本馬はG1で通用するだけの実力を持ちながら、これまでの最高着順は2着が4度とあと一歩のところでタイトルに縁がなかった。5番人気に推されたものの、前年の4着からひとつ着順を下げて5着。またしてもG1の厚い壁に跳ね返される結果に終わった。

「伝説の新馬戦」はイクイノックス以上のインパクト!?

 総大将ディープボンドの敗戦で連勝の止まったキズナ産駒だが、特筆すべきは5Rの2歳新馬(芝1800m)を5馬身差で楽勝したギャンブルルーム(牡2、栗東・大久保龍志厩舎)の存在。宝塚記念デー当日の新馬戦に出走した馬から、後にグレードレースを制した馬が多数出ていることから、近年は一部のファンから「伝説の新馬戦」と称される舞台でもある。

 2017年に朝日杯フューチュリティS(G1)を制したダノンプレミアム、22年にホープフルS(G1)を制したドゥラエレーデ、全日本2歳優駿(G1)を制したデルマソトガケが出走していたように、後の重賞ウイナーが出走していたことでも知られている。

 そんな未来の大物が潜むと評判のレースに、セレクトセールで1億6500万円の値がついたダノンスウィッチ、同じく約2億円の値がついたショウナンハウル、良血馬クイックバイオなどが出走。勝って当然と思われて不思議のないライバルたちを一蹴したのだから、ギャンブルルームの実力たるや推して知るべしだ。

 しかもレースは、1000m通過が62秒のスローで流れ、前に有利な展開。7頭立てと頭数は少ないながらも、最後方から直線だけでゴボウ抜きは並の芸当ではない。メインの宝塚記念を制したイクイノックスは、ハイペースに便乗して大外一気を決めているだけに、スローペースを最内から突き抜けたギャンブルルームの強さが浮き彫りになった。

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松山弘平騎手 撮影:Ruriko.I

 デビュー戦の手綱を任された松山弘平騎手が「着差以上に強かった」と振り返ったのも大きい。「ハナやクビ差」で見た目の派手さはなくとも強いという意味なら分かるが、こちらは「5馬身」もの差をつけている。

 にもかかわらず、松山騎手の口から同様の言葉が出たなら話は別。今回は4番人気の伏兵としての番狂わせだが、インパクトだけならイクイノックス以上ともいえる。ひょっとしたらとてつもない馬かもしれない。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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