「2億4000万円」アーモンドアイ初仔に一抹の不安も? シルクレーシング歴代高額馬上位5頭の戦績
国内外でG1・9勝を挙げたアーモンドアイの初仔であり、父エピファネイアの「アーモンドアイの2022(牡)」が、一口馬主クラブのシルクレーシングにおいて一口48万円×500口の総額2億4000万円で募集されることが分かった。
これは同クラブにおける歴代最高の募集価格である。これまで1位の馬が1億5000万円だったことを考えると、アーモンドアイの2022がどれだけ飛び抜けているかが分かるだろう。
なお預託先は、母と同じく美浦の国枝栄厩舎であることも発表された。国枝師は2026年2月をもって定年を迎えるため、本馬とともにキャリア最後の日本ダービー(G1)を目指すこととなりそうだ。
ただ、募集価格が高額だからといって、その馬が必ずしも期待通りに走るわけではないというのが競馬の難しいところ。実際に、過去のシルクレーシングで募集された高額馬上位5頭は、現在のところその高い期待に応えられたとは言い難いようだ。
シルクレーシング歴代高額馬上位5頭の戦績
募集価格1億5000万円 モーソンピーク(父ディープインパクト、母モシーン)
通算成績15戦3勝 獲得賞金5894万7000円 現役
上でも少し触れたが、これまで1位の募集価格だった馬は、重賞3勝プリモシーンの全弟であるモーソンピークだ。母モシーンも現役時代に豪州でG1・4勝を挙げた名牝だけに、この募集価格となったのも頷ける。なお先月、東京の2歳新馬戦を勝った「5億円馬」ダノンエアズロックは本馬の弟である。
そんなモーソンピークであるが、その期待とは裏腹にデビュー戦で4着に敗れると、初勝利までに実に7ヶ月を要した。6歳となった今年2月に2勝クラスをようやく突破したものの、3勝クラスに昇級後のここ2戦はともに二桁着順に終わるなど苦戦を強いられている。
同1億2000万円 アプリシティー(父ディープインパクト、母イルーシヴウェーヴ)
通算成績1戦0勝 獲得賞金0円 引退
兄のアドマイヤビルゴとサトノソロモンもセレクトセールにおいて、それぞれ約6億円と3億円で取引されている。そんな超高額一族のアプリシティーはデビュー前から順調さを欠いてしまい、初陣は3歳4月と遅くなった。そこで2番人気7着に敗れると、その後もスムーズに行かず1戦のみで引退。獲得賞金はまさかの0円だった。
同1億2000万円 ピボットポイント(父ディープインパクト、母ペンカナプリンセス)
通算成績21戦2勝 獲得賞金2560万8000円 引退
ピボットポイントは、牡馬クラシックに出走したトリコロールブルーやワールドインパクト、ダノンジェラートの弟にあたる。兄たちが手の届かなかったタイトル奪取が期待されたが、決め手に欠くレースが目立ち、初白星までに8戦を要した。晩年は障害に転向するも、2戦目に騎手が落馬して競走中止。そのレースを最後に現役生活にピリオドを打った。
同1億2000万円 ローマンネイチャー(父ディープインパクト、母キューティゴールド)
通算成績1戦0勝 獲得賞金110万円 現役
ジャパンC(G1)を勝ったショウナンパンドラの全弟である。本馬が何よりも不運だったのは、一昨年6月に出走したデビュー戦の返し馬において、放馬した馬に絡まれるなどトラブルに巻き込まれたことだろう。
その影響もあってか、レースでは3馬身ほどの出遅れ。ただその後は盛り返し、後にG1を勝つキラーアビリティに先着を果たした。しかし、後に脚部不安を発症したことで、その新馬戦を最後に約2年間、レースから遠ざかっている。
同1億円 ルーカス(父スクリーンヒーロー、母メジロフランシス)
通算成績23戦1勝 獲得賞金6633万5000円 引退
ジャスト1億円で募集された馬は9頭いたが、中でもデビュー前から大きく期待されていたことで有名なルーカスを取り上げた。本馬は父・母の名前を見てピンと来る方も多いだろう、国内外でG1を6勝したモーリスの全弟だ。J.モレイラ騎手の手綱で札幌の2歳新馬戦を勝ち、続く東京スポーツ杯2歳S(G3・当時)でも2着に好走したことで、クラシック戦線での活躍が期待された。
ただ、その後の成績はあまりパッとせず。気性面に問題があったのか晩年は去勢されており、先月23日をもって中央登録を抹消。今年5月の湘南S(3勝クラス)10着がラストランとなった。2歳時の走りからすると、キャリアで勝ち星が新馬戦の1つのみに終わったのは意外だったといえそうだ。
以上がシルクレーシングにおいて過去に募集された高額馬の上位5頭だが、ご覧の通り募集金額を上回るどころか、1億円以上稼いだ馬が1頭もいない状況であるのは、やや意外といえるかもしれない。
ちなみにアーモンドアイの募集額は3000万円でややリーズナブルだったが、キャリアで19億円以上を稼ぎ出した。果たして息子・アーモンドアイの2022はどれほどの戦績を残してくれるだろうか。
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