
武豊や川田将雅も「手が届いていない」偉業にリーチ! 裏街道を歩んだ「天才肌」が挑む、前人未到の大記録
7月を迎えた先週末からローカル開催へと舞台を移し、本格的な夏競馬のシーズンがスタート。秋を見据えたトップクラスの有力馬の多くが休養する中、注目の2歳新馬のデビューや上がり馬の登場も夏競馬の魅力のひとつだ。
ただ、実力が拮抗する馬たちの出走も多く、有力視された馬がコロッと負けてしまうケースも珍しくない。先週行われたCBC賞(G3)のマッドクール、ラジオNIKKEI賞(G3)のレーベンスティールも単勝1倍台の断然人気に支持されたものの、期待に応えることは出来なかった。
そういう意味では穴党の競馬ファンにとって、馬券的な妙味が大きいのも夏競馬の特徴だが、今週末に開催されるプロキオンS(G3)や七夕賞(G3)も荒れるレースとして知られている。
そんな中、七夕賞の開催される福島競馬場において、武豊騎手や川田将雅騎手ですら手が届いていない前人未到の記録に挑む男がいる。
裏街道を歩んだ「天才肌」が挑む、前人未到の大記録

それは福島競馬場における重賞レースの「完全制覇」を狙う津村明秀騎手だ。これは裏街道を歩んで来た苦労人だからこそ、成し遂げられる記録かもしれない。
現在、福島競馬場の重賞は福島牝馬S(G3)が創設された2004年以降、同レースを含めて他にラジオNIKKEI賞、七夕賞、福島記念(G3)の計4つ。そのうち津村騎手は06年ラジオNIKKEI賞(タマモサポート)、15年福島記念(ヤマカツエース)、22年福島牝馬S(アナザーリリック)で勝利を挙げており、3勝中なのだ。
福島の4重賞完全Vに七夕賞を残すのみだが、この快挙に挑むパートナーも素質馬バトルボーン(牡4、美浦・林徹厩舎)なら申し分ない。
本馬はここまで4連勝中と伸び盛り。前走のウェルカムS(3勝クラス)を勝利した際にも、2着馬とアタマ差の接戦ながら、騎乗していたC.ルメール騎手は「この馬はタフですし止まりません。強かったですね」とまったく気にしていなかった様子。当初予定していた日経賞(G2)をアクシデントで回避する誤算はあったものの、3月下旬のレースに向けて一度仕上げられていたなら、7ヶ月の休み明けでも臨戦態勢は整っていると見ていいだろう。
関東の中堅の一人として知られる津村騎手は今年デビュー20年目。川田騎手、藤岡佑介騎手、吉田隼人騎手、丹内祐次騎手らと同期にあたる。今でこそ日本を代表するトップジョッキーとなった川田騎手だが、競馬学校時代を振り返った際に「津村には一度も勝てなかった」と認めていたほどの天才肌だった。
最近の津村騎手は勝負弱さが目に付いた以前に比して着実に前進。道中の積極的な位置取りや勝利を意識した仕掛けのタイミングにも、進境が見られるようになってきた。
コンビを組むバトルボーンは、美浦の南Wで行われた5日の最終追い切りで5ハロン70秒6-11秒6の好タイムをマーク。併せた相手に余力十分の手応えで先着した。地道な努力を積み重ねた男が挑む福島の大一番。注目して損はないはずだ。
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