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「正直びっくり」「こんなに強いとは……」小倉の単万男がまたも大仕事! まさかの結末にファンは唖然茫然…敗れた大本命も「勝った馬が強かった」の全面降伏

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「正直びっくり」「こんなに強いとは……」小倉の単万男がまたも大仕事! まさかの結末にファンは唖然茫然…敗れた大本命も「勝った馬が強かった」の全面降伏の画像1

 27日、小倉競馬場で行われた10R九州スポーツ杯(2勝クラス)は、先手を取った16頭立ての最低人気グラストンベリー(牝4、栗東・藤岡健一厩舎)が、あれよあれよの逃げ切り勝ち。単勝1.5倍の大本命に支持されたメイショウモズに5馬身差の圧勝劇を飾った。

「正直びっくりです」

 川須栄彦騎手も驚きを隠せなかった大波乱だった。

 それもそのはず、何しろ手綱を取ったグラストンベリーは近走で3戦連続二桁着順の惨敗を繰り返していた相手だ。

 しかもデビューから一貫して短距離ばかりを使われていた馬が、ダート1200mの前走から一気に500m距離を延ばして1700mへの出走。先行争いで早々と脱落を繰り返していた馬が、まるで別馬のように一変するとは思わなかっただろう。

 ところが、今回は好スタートを決めるとマイペースの一人旅。後続の騎手も「どうせバテるに違いない」と思ったのか、競りかけてくる相手もいなかった。

 異変を感じた後続が追撃を開始してもグラストンベリーの脚色は衰えるどころか、コーナーワークを生かした最終コーナーで7馬身8馬身と差を広げていく。メイショウモズが懸命な追い上げを見せたものの、大本命馬に影をも踏ませぬ5馬身差でゴール板を駆け抜けた。

敗れた大本命も「勝った馬が強かった」の全面降伏

 川須騎手が「こんなに強いとは思いませんでした」と振り返れば、大本命馬で敗れた幸英明騎手も「勝った馬は強かったです」と全面降伏。これにはレースを観戦した多くのファンも唖然茫然とするしかなかったのではないか。

「思い切って距離を延ばした陣営の作戦もハマりました。先行争いの激化しやすい短距離と違い、ペースの落ちる中距離ですんなりと先手を取れたのが勝因でしょうね。血統的にも祖母にブロードアピールがいるように良血馬。今回の走りを見た感じだと、これくらいの距離の方が向いているのかもしれませんね。

良で1分43秒9も優秀でしたし、レースのラップを見ても決して単なるフロックではなさそうです。ラストの2ハロンは13秒台に落ち込みましたが、そこまでに1200mのようなラップを刻んでいました。後ろの馬が離されたのも仕方なかったと思います」(競馬記者)

 その一方で、ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンから「また川須?」「川須だから狙えた」という声もチラホラ……。川須騎手といえば、16番人気ボンボヤージと昨年の北九州記念(G3)で大波乱を起こした穴男。今年の小倉開催でも20日の4R未勝利で15番人気タマモメガジョッキを2着に導いたが、このときも単勝万馬券の超人気薄とのコンビだった。

 また、これとは別の意味で肝を冷やしたのがWIN5の購入者たちだ。

 WIN5とは、JRAが指定した対象5レースの勝ち馬を当てる券種なのだが、3場開催では10Rが対象1つ目のレースに指定されることが殆んど。大波乱に終わった九州スポーツ杯は小倉の10Rだっただけに、もし対象レースだったら即死していたかもしれないと、焦っている声も出ていた。

 この日の配当は、いつもより払戻率の高い「JRAスーパープレミアム(WIN5は70%→80%に引き上げ)」の関係で45万1740円に増額されていたが、16番人気の勝利した小倉10Rが対象レースに含まれていたら、相当な高額となっていた可能性がある。

 的中したファンも、小倉10Rの結果にはゾッとしたのではないか。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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