キタサンブラックがわずか2年で「稼ぎ8倍」の大躍進!その陰で「早熟&ズッコケ」疑惑の2頭は人気急落!?
大種牡馬ディープインパクトがこの世を去った2019年の夏から早4年。その後継候補として大きく評価を上げているのがキタサンブラックだ。
25日には社台スタリオンステーション(SS)が、ホームページ上で繋養種牡馬の種付け頭数を発表。今年のキタサンブラックの種付け頭数は242頭で、前年の177頭から大幅増だったことがわかった。
「今年が種牡馬生活6年目のキタサンブラックは種付け料500万円からスタートしましたが、2~3年目は400万円に、4年目には300万円にまで下がりました。種付け頭数自体も減少傾向でしたが、初年度産駒のイクイノックスが大活躍したため、5年目は500万円に回復。そして今年は種付け料が一気に1000万円に達しました。それでも配合の申し込みは殺到し、シーズン早々に満口になる盛況ぶりだったといいます」(競馬誌ライター)
そんなキタサンブラックの“稼ぎ”をざっくり「種付け頭数×種付け料」で計算すると、今年は約24億円(242頭×1000万円)。これは約3億円(102頭×300万円)だった21年に比べて8倍にも上る。産駒の今後の活躍次第では、来年には種付け料が1500万円、いや2000万円に達しても驚きではないだろう。
現役時代と同じく種牡馬としても“人気者”となったキタサンブラックだが、その陰で大きく人気を落とした種牡馬もいる。
「早熟&ズッコケ」疑惑の2頭は人気急落!?
その代表格は、今年の種付け頭数が124頭に留まったエピファネイアだ。種牡馬初年度の16年から21年まで、6年連続で200頭以上の繁殖牝馬を集めていたが、22年に163頭と初めて200頭を割ると、今年はさらに減少。過去最多の240頭を集めた20年に比べると、ほぼ半減という凋落ぶりである。
種付け料の高騰(初年度250万円→今年1800万円)もその大きな要因と考えられるが、産駒に投げかけられた“早熟疑惑”も影響しているとみていいだろう。
ただし、エピファネイアは、そんな疑惑が浮上する前にアーモンドアイやラヴズオンリーユーなど多くの名牝、良血牝馬と種付けしており、それら産駒の活躍次第では、数年以内に人気がV字回復を果たしてもおかしくない。
そしてもう1頭、大きく人気を下げたのは、現3歳世代が初年度産駒のサトノダイヤモンドである。種牡馬初年度から4年連続で種付け頭数は130~140頭台と安定していたが、今年は一気に58頭まで減らしている。
その理由は、おそらく産駒の不振だ。初年度産駒のデビューから丸1年が経過したが、重賞を勝ったのはいまだサトノグランツ(23年京都新聞杯・G2)だけ。勝ち上がり率も決して高くなく、2世代目の2歳馬にいたっては20戦0勝という状況だ。
こちらは、エピファネイアとは逆に産駒がデビューする前から“ズッコケ疑惑”が投げかけられていた。そのため、まだ長い目で見ている関係者もいるとみられるが、3歳馬はそろそろ結果を出し始めたいところ。数多くいるディープインパクト直仔の後継候補として、苦しい立場に追いやられた感は否めない。
人気絶頂のキタサンブラック、数年前にその立場だったエピファネイア、そしてサトノダイヤモンド……。奇しくも菊花賞馬という共通点を持つ3頭は、今後どのような種牡馬生活を送るのか。毎年11月ごろに発表される種付け料にも注目が集まる。
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