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「小倉専用機」の血を改めて証明!悲運の死を遂げたファンタジスト、単勝万馬券演出ボンボヤージに続く重賞制覇

「小倉専用機」の血を改めて証明!悲運の死を遂げたファンタジスト、単勝万馬券演出ボンボヤージに続く重賞制覇の画像1
岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 3日、小倉競馬場で行われた小倉2歳S(G3)は、岩田望来騎手の5番人気アスクワンタイム(牡2、栗東・梅田智之厩舎)が優勝。小倉2歳チャンプの称号を手に入れた。

「2023ワールドオールスタージョッキーズ」を初優勝した勢いそのままに、最終週の小倉で重賞制覇。激しい先行争いを見ながら後方で脚を溜め、最後の直線で外に持ち出して一気の差し切り。鞍上の冷静な手綱捌きも光った。

「乗りやすい馬で、自在性があります。1200mでなくても、距離が延びても大丈夫ではないかと思います」

 レースをそう振り返った岩田望騎手だが、この勝利にはアスクワンタイムに流れる血のバックアップも大きかったように感じられる。

「小倉専用機」の血を改めて証明!

 本馬はロードカナロア産駒で母がディープインアスクという血統。レース中に急性心不全を発症し、悲運の死を遂げた全兄のファンタジストが2018年の小倉2歳S、昨年の北九州記念(G3)で単勝万馬券を演出して制覇した全姉のボンボヤージだけでなく、今回のアスクワンタイムを含め、3頭が小倉の芝1200m重賞を制している。

 ここまで来ると「小倉専用機」といっても過言ではないほどの好相性といえる。アスクワンタイムも距離適性的にマイルまでの印象でクラシック向きとはいえないものの、今後もスプリント路線で活躍が期待できそうな馬である。

 2着に敗れはしたが、ミルテンベルク(牡2、栗東・武英智厩舎)は、「負けてなお強し」の印象が残った。

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藤岡康太騎手

 鞍上の藤岡康太騎手が「勝ち馬に目標にされる形」と悔いたように、先に仕掛けたところを外から伸びたアスクワンタイムの強襲に屈した格好。2戦目でテンションが上がりそうなところを鞍上がなだめつつの競馬で十分な見せ場を作った。

 馬体重も14キロ増とパワーアップしており、血統的にも奥手のモーリス産駒ということを考えれば、一介の早熟系短距離馬という訳でもなさそうだ。

 また、3着以下に敗れた組は力負けかもしれない。1番人気に支持されたビッグドリームも持ち時計に不安があり、追ってからも案外だった。3着に粘ったキャンシーエンゼルについて、松山弘平騎手は外枠なら違ったかもしれないと振り返っていたが、上位2頭の力が抜けていたように思える。

 今回は小倉に強い血を持つアスクワンタイムに軍配が上がったが、ミルテンベルクとの勝負付けはまだ済んだとはいえない。これからも注目したい2頭である。

GJ 編集部

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