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何故、今村聖奈ではなく富田暁だったのか。単勝112.6倍で初の重賞制覇…「申し訳ありません」“三冠”逃した消極的な男が雪辱を胸に開眼

何故、今村聖奈ではなく富田暁だったのか。単勝112.6倍で初の重賞制覇…「申し訳ありません」三冠逃した消極的な男が雪辱を胸に開眼の画像1
富田暁騎手

 10日、阪神競馬場で行われた秋の開幕重賞・セントウルS(G2)は、単勝14番人気のテイエムスパーダ(牝4歳、栗東・木原一良厩舎)が逃げ切る大波乱の結果。今村聖奈騎手の重賞初騎乗初勝利&日本レコードが大きな話題となった昨年のCBC賞(G3)以来、重賞2勝目となった。

 15頭立ての芝1200mで行われたサマースプリントシリーズの最終戦。ここ2戦連続でハナを奪われた“目の上のたん瘤”ジャスパークローネが不在の今回、テイエムスパーダと鞍上の富田暁騎手は迷わずハナに行った。

 単勝112.6倍という伏兵の逃げに後続が油断したのか、前半600m通過33.5秒は昨年よりも1秒も遅いペース。舞台は阪神の開幕週、絶好の馬場コンディションも1200mの日本レコードホルダーに大きく味方した。

 最後は2番人気のアグリが猛然と追い込んできたが、1馬身差は完勝と言って良いだろう。

「驚きました。スタートはそこまで良くなかったのですが、レース後に富田騎手が『この馬の形で競馬ができれば強いと思っていた』と振り返っていた通り、思い切って強くハナを主張したことが功を奏したと思います。

富田騎手にとっては、これが重賞初勝利ですし、師匠の木原調教師の管理馬で勝てた分、喜びもひとしおでしょうね。ゴール後には、藤岡佑介騎手や鮫島克駿騎手も馬上で声をかけているシーンがありました。馬だけでなく、ジョッキーにとっても“きっかけ”になる1勝になるかもしれません」(競馬記者)

「状態は良かっただけに……申し訳ありません」

“三冠”逃した消極的な男が雪辱を胸に開眼

 先月6日のエルムS(G3)のレース後、富田騎手はそう頭を下げた。騎乗していたペプチドナイルは、ここ2走で函館のオープンを連勝中。レース前には「北海道ダート三冠なるか」などと報道され、今年7年目の富田騎手にとっては重賞で初めての1番人気という大きなチャンスだった。

 しかし、レースでは、ここ2走と打って変わって好位からの競馬。逃げが持ち味のペプチドナイルの実力を十分に引き出すことができないまま13着に沈み、レース後には「無理にでも、強気に悔いのないように乗るべきだった」と積極的に行けなかったことを反省するコメントもあった。

「今村騎手とのコンビで有名なテイエムスパーダですが、本来、富田騎手とコンビを結成することはなかったかもしれません。というのも本馬は、もともと五十嵐忠男厩舎の所属馬だったからです。

ただ、今年2月に五十嵐調教師の定年に伴って厩舎が解散。テイエムスパーダは木原厩舎へ転厩し、その所属が富田騎手でした。今回の勝利は、多少強引にでもハナに拘った富田騎手の積極性が呼び込んだと思いますし、富田騎手にしてもペプチドナイルの悔しさを受けてのものだったと思います。縁というのは、本当に不思議なものですね」(同)

「重賞になると、なかなか勝てなくて……。自分自身、緊張しているところもあったりして、こうして夏の北海道の経験を経て、こちらで師匠の馬で重賞を勝てたということも、すごく嬉しいです」

 そう喜びを語った富田騎手はこの日、阪神の特別戦を3連勝。それも3戦3勝という絶好調だった。

「この先に向けても、いい結果になったと思います」

 そう見据える先は、スプリンターズS(G1)に違いない。テイエムスパーダにとっては、昨年のリベンジ。富田騎手にとっては今年の桜花賞(G1)以来となる2度目のG1挑戦へ。数奇な運命によって結ばれたコンビが、秋の短距離王決定戦で大暴れする。

GJ 編集部

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