「汚名返上」を期す団野大成が目指す飛躍の秋!姉にクロノジェネシス、ノームコア…良血クラシック候補が最後方から一刀両断

場内は平場戦とは思えない、ちょっとしたざわめきが起こった。
当事者となったのは、9日の土曜阪神7Rを快勝したアースクロニクル(牝3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。
開幕週の阪神は絶好の馬場状態。芝のレースでは、当然ながら逃げ先行勢に有利な展開だったのだが、アースクロニクルは4コーナー最後方から前を行く8頭をゴボウ抜きするという離れ業を披露した。
3コーナーを過ぎたあたりから鞍上が促すもなかなかエンジンはかからない。残り200mのハロン棒に差し掛かってもほぼ最後方、レースを見ていた大半のファンも「こんなところから届くはずがない」と感じたのではないだろうか。
しかし、そんな諦めムード濃厚な中でスイッチが入ると、そこからが圧巻の走り。上がり3ハロン33秒の鬼脚で前にいた馬を一刀両断の如く交わしてしまったのだ。

鞍上の団野大成騎手も「まだ精神面に課題はありますが、最後方から差し切ってくれたように能力は高い馬です」と振り返っていたように、改めてポテンシャルの高さを認識しただろう。前走の5着から圧巻のパフォーマンスで巻き返しに成功した。
父は晩成タイプのモーリス、母はクロノロジストという血統からも将来を期待したくなる。
母の代表産駒には、牝馬でグランプリ3連覇を達成した名牝クロノジェネシス、G1・2勝をあげたノームコアなどがいる。古馬になってから大成した姉を持つアースクロニクルが早い段階から能力の片鱗を見せたことで、より一層期待が膨らんだ。
デビューから3戦、手綱を任されてきた団野騎手にとっても、クラシックを意識したくなるパートナーだろう。
「汚名返上」を期す団野大成騎手が目指す飛躍の秋!
成長著しい若手の有望株は、今年の高松宮記念(G1)を12番人気のファストフォースで制し、G1ジョッキーの仲間入り。夏競馬でもCBC賞(G3)と北九州記念(G3)をジャスパークローネとのコンビで連勝した。
ただ、そんな団野騎手も宝塚記念(G1)では、無念の降板劇を経験した。自厩舎のG1馬、ジェラルディーナへの騎乗が一度は発表されながら、急きょ、武豊騎手への乗り替わりとなってしまったのだ
こちらについては、団野騎手がたびたび朝の調教に遅刻、師である斉藤崇調教師の逆鱗に触れたのが降板の理由とされている。勿論、本人も十分に反省しただろう。その甲斐もあってかオールカマー(G2)での新コンビが発表されている。可愛がってきた愛弟子にもう一度チャンスを与えようという師匠の温情采配かもしれない。
さらなるステップアップを見据える団野騎手としては、素質馬アースクロニクルとジェラルディーナに騎乗するチャンス。トップジョッキーへの足掛かりとするためにも力が入るはずだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
JRA横山典弘騎手「史上最悪のポツン」が日本の頂点に!? 断トツ最下位で「ダービーの冒涜」大批判を集めた馬がレイデオロと並ぶ
ミスターシービー、ウオッカ、ヒシマサルの意外な共通点…馬名の由来は興味深いエピソードの宝庫【競馬クロニクル 第47回】- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 武豊が「告白」宝塚記念(G1)キタサンブラック大敗劇で「最大の敗因」とされるサトノクラウンの”荒技”の影響……凱旋門賞消滅への思いと「雪辱の秋」へ<2>
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- M.デムーロ「干され疑惑」に元JRA藤田伸二氏が反論!? 「ミルコは超絶上手いよ!」悩めるイタリアン不振最大の理由は「○○」にある?
















