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「必ずまたどこかで大駆けある」安藤勝己氏が激走予告! 今村聖奈に続いた重賞タイトルゲット…14番人気単勝万馬券でも復活できた理由

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富田暁騎手

 秋のスプリント王を決めるスプリンターズS(G1)の重要ステップ・セントウルS(G2)を制したのは、近走で惨敗が続いていたテイエムスパーダ(牝4、栗東・木原一良厩舎)だった。

 初重賞勝ちを決めた昨年のCBC賞(G3)は2番人気で勝利したが、今回はなんと15頭立てのレースで14番人気という超人気薄。単勝オッズ112.6倍という万馬券で大金星を挙げることに成功した。

 ハンデ戦のCBC賞を優勝した際には、今村聖奈騎手とのコンビで斤量も48キロと恵まれたが、別定戦の今回は55キロでの出走。軽ハンデ云々ではなく、正真正銘の実力で2つ目の重賞タイトルを手に入れた。

 また、今回が初コンビの富田暁騎手にとっても待望の初重賞勝ち。若手騎手2人にそれぞれ初重賞勝利をプレゼントしたのも不思議な縁だろう。

 しかし、若手騎手2人の勝利に共通点があったことも覚えておきたい。

「必ずまたどこかで大駆けある」安藤勝己氏が激走予告!

 それは、元JRA騎手の安藤勝己氏がSNSでテイエムスパーダについて「あれだけ出しても終いしっかりまとめて強かった。必ずまたどこかで大駆けあると思う」と振り返っていたことに勝因が窺える。

 見逃せないのは昨年制したCBC賞の尋常ではない超高速決着だ。今村騎手がガムシャラに飛ばした前半600mのラップは31秒8という“非常識”なタイム。後半は34秒0までペースダウンしたものの、全体時計は1分5秒8というとんでもない走破時計だった。

 これは当然ながらJRAの芝1200m戦でずば抜けたレコード。だからといってテイエムスパーダが最強スプリンターではなかったことは、その後のレースで通用しなかったことが証明している。

 当時のスーパーレコードの一翼を担っていたのが、開催最終週まで好時計を連発していた小倉競馬場の高速馬場。そして今回の阪神の開幕週も再現するには絶好の馬場状態となっていたはずだ。

 既に土曜の段階から好時計の出ていた阪神だが、日曜はさらに極端な結果。計6R行われた芝のレースで4レースが逃げ切り勝ち。ここまで来ると、どの馬が勝つのかよりも、どの馬と騎手が逃げるのかを当てる方が大事といえるほどだろう。

 かといってテイエムスパーダの富田騎手が、このタイミングでしっかりと「逃げる」決断をやり切れたことに意味がある。

 そして馬場状態も富田騎手の後押しをするかのように絶好の前残り馬場。もし、彼が中途半端に控える競馬を試みていたなら、おそらく同じ結果とはならかったはずだ。

「スタート直後は内の馬も騎手が押していたため、ハナ争いになりそうな雰囲気もありましたが、富田騎手はハナを奪い切るまで手綱を押し続けていました。さすがに少し速過ぎるかなと感じた前半3Fのタイムは33秒5の表示。乗っている騎手には少し速いくらいでも、馬場を考えると平均ペースに近かったのかもしれません。

終わってみれば後半3Fも33秒7でまとめて前後半の差は0秒2というもの。引かなかった富田騎手の判断がもたらした勝利でしょうね。非常に見事な騎乗でしたが、残念ながら本番では2着アグリに分がありそうです。こちらは真逆の展開で後ろから唯一伸びてきた馬ですから、負けてなお強しの印象です」(競馬記者)

 確かに昨年のCBC賞の前後半3Fが31秒8-34秒0(2秒2差)だったのに対し、今年のセントウルSのそれは33秒5-33秒7(0秒2差)なら、テイエムスパーダにとって楽なペースだったともいえる。

 そこでもう一度思い出したいのが先述した安藤氏の「必ずまたどこかで大駆けある」という激走予告だ。

「騎手が強気に行き切ること」と「高速決着が見込める絶好の馬場」

 この2つの条件がテイエムスパーダの好走に不可欠ということは分かった。脆さと強さを併せ持つ、逃げ馬の魅力を十分に感じることが出来た今年のセントウルS。本番のスプリンターズSは、開幕週どころか最終週のため、再度の激走を期待するには少々条件が合わなさそうだが、当日の馬場状態には注意を払いたい。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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