【シリウスS(G3)展望】武豊VS岩田望来! 「打倒ミックファイア」へ、ジャパンダートダービー(G1)2着馬も参戦
30日、阪神競馬場ではダート重賞のシリウスS(G3)が行われる。
過去3年は京都競馬場の改修工事による開催日割の変更に伴い、中京1900mが舞台だったが、今年は4年ぶりに阪神2000mに戻っての開催。ここを勝って秋のダートG1戦線に名乗りを上げるのは果たしてどの馬になるのか、早速展望していこう。
昨年11月の浦和記念(G2)を制したクリノドラゴン(牡5歳、栗東・大橋勇樹厩舎)が8か月ぶりの実戦復帰を果たす。
同馬は、今年初戦の東海S(G2)で12着に大敗。レース後には左第3指骨骨折が判明し、休養に入っていた。
2歳秋のデビューからコンスタントに使われ、今年の東海Sまでの約2年間、ほぼ休むことなく29戦を消化。初めてといえる長期休養明けで迎えるが、中京で開催された昨年の当レースでも4着に入っているようにG3では上位の能力を持つ。
骨折明けで条件は決して易しくないが、厩舎サイドにとって何より心強いのは主戦・武豊騎手の存在だろう。通算で「5-1-3-6」という好成績。武騎手以外が手綱を取った時は「0-2-2-10」なので、コンビ相性は抜群。いきなりの好走に期待が懸かる。
6月の帝王賞(G1)以来、3か月ぶりのレースを迎えるのはハギノアレグリアス(牡6歳、栗東・四位洋文厩舎)だ。
3歳の秋から5歳の夏にかけて、実に1年8か月の休養があったが、復帰後も大崩れすることなく走っている。
昨年のみやこS(G3)、そして今年初戦の東海Sで連続2着に好走すると、3月の名古屋大賞典(G3)で重賞初制覇。その後も平安S(G3)で2着、さらにG1初挑戦となった帝王賞で4着と、条件問わず持ち前の安定感を発揮している。
そんなハギノアレグリアスの鞍上を務めるのは5年目の若手、岩田望来騎手。今月は特に重賞で好調を維持しており、先週末のセントライト記念(G2)まで重賞では4回騎乗して、「2-0-2-0」の成績を残している。
同コンビも通算「2-1-0-1」で、武騎手とクリノドラゴンに負けず劣らずの好相性。クリノドラゴンと同じく、ハギノアレグリアスにとって唯一の重賞勝ちは地方でのものだ。ここでJRA重賞初制覇を飾りたいところだろう。
実績的にやや劣るが、重賞で僅差のレースを続けているヴァンヤール(牡5歳、栗東・庄野靖志厩舎)も侮れない1頭だ。
昨年7月に3勝クラスを突破すると、その後はオープンで9戦して掲示板を外したのはみやこSの6着と、東海Sの競走中止の2回だけ。名古屋グランプリ(G2)とアンタレスS(G3)は2着、2走前の平安Sは3着と、重賞制覇まであと一歩のところまで来ている。
特に、今回と同じ阪神が舞台だったアンタレスSでは、逃げたプロミストウォリアを半馬身差まで追い詰めており、得意コースで一発を狙う。コンビ通算「3-4-3-3」と好相性の荻野極騎手を背に待望の重賞勝利を飾りたい。
キリンジ(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)も重賞勝利はないが、前走のジャパンダートダービー(G1、以下JDD)でミックファイアの2着に食い込んだ実力馬だ。
今年2月にデビュー5戦目で初勝利を挙げたキリンジ。続く1勝クラスを勝利すると、5月の兵庫チャンピオンシップ(G2)でミトノオーの2着、そして7月のJDDで見事、JRA勢最先着を果たした。今回は初の古馬を相手に上位に食い込めるか、試金石の一戦となる。
川田将雅騎手との初コンビで重賞初制覇を狙うのはニューモニュメント(牡7歳、栗東・小崎憲厩舎)だ。
約3年前にオープン入り後はローカルのオープン、リステッドを主戦場にしている。しかし、今年の川崎記念(G1)で5番人気3着、昨年のアンタレスSで13番人気3着と重賞でもたびたび穴をあけており、警戒が必要だろう。
前走・名鉄杯(L)は、59kgを背負いながら6番人気で3着に追い込んだ末脚は見どころがあった。川田騎手の手腕で善戦マンを勝利に導くことができるか。
サンライズホープ(牡6歳、栗東・羽月友彦厩舎)は、2年前の当レースを含めてJRA重賞2勝の実績が光る。ただし、安定感には欠け、重賞で通算「2-0-0-13」と凡走も多い。新コンビの和田竜二騎手が新たな一面を引き出せるか。
この他には、前走初ダートのBSN賞(L)を快勝したアイコンテーラー(牝5歳、栗東・河内洋厩舎)、昨年のレパードS(G3)を制したカフジオクタゴン(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)、阪神コースで5戦4連対のヘラルドバローズ(牡4歳、栗東・寺島良厩舎)など、伏兵馬も虎視眈々と上位を狙っている。
チャンピオンズC(G1)やJBCクラシック(G1)などを見据えた注目の一戦、シリウスSは30日の15時35分に発走予定となっている。
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