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「はじけてくれなかった」ミックファイアが負けられない一戦でヒヤリ…調教師も「心臓に悪かったよ」の薄氷勝利、JBCクラシックに課題山積み?

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 中央競馬では電撃6ハロンを争うスプリンターズS(G1)、夜にはスルーセブンシーズの挑戦する凱旋門賞(仏G1)が開催された先週末。秋のスプリント王決定戦を川田将雅騎手とママコチャのコンビが制し、フランスの世界最高峰レースに想いを馳せるファンも多かったはずだが、同日の18時15分にも注目のレースが行われた。

 それが、盛岡競馬場で開催された第36回ダービーグランプリだ。こちらは3歳馬限定のダート2000m戦。知名度の高いG1に挟まれる格好となったが、今年は例年以上に大きな注目を集めることとなった。

 それもそのはず、今年のダービーグランプリには、2001年のトーシンブリザード以来、22年ぶり史上2頭目となる無敗の南関東三冠を達成したミックファイア(牡3、大井・渡辺和雄厩舎)が出走していたからだ。

 中央の強豪相手に難なく返り討ちにした無敗馬だけに、単勝オッズは勝って当然の「1.1倍」の断然人気。陣営が「負けられない一戦」と評したのも分かる話だ。

 しかし、誰もが楽勝を信じて疑わなかったレースにもかかわらず、徹底マークを敢行したマンダリンヒーローに並び掛けられるシーンもあった。

 結果的に勝利を手にしてデビューからの無敗記録を「7」にまで伸ばしたものの、2頭の着差はわずか1馬身半。マンダリンヒーローも決して弱い馬ではないのだが、ミックファイアが東京ダービーで6馬身も置き去りにしていたヒーローコールが対戦成績で圧倒していた相手でもあった。その相手にデビュー7戦で最小着差での勝利だったのだから、物足りなさを感じたファンも少なくなかったのではないか。

 実際、薄氷を踏む勝利に主戦の御神本訓史騎手は「危なかった。はじけてくれなかった」、管理する渡辺調教師も「心臓に悪かったよ」と安堵するしかなかった訳だ。

JBCクラシックに課題山積み?

「不良の盛岡競馬場は速い決着が目立つ舞台設定でしたし、勝ちタイムの2分3秒0(不良)にそこまでの価値があるかどうかは疑問です。収穫があったとすれば、初の左回りと初の大井競馬場以外のレースで負けなかったことでしょうか。

ただ、これから古馬の一線級との戦いが待っているだけに、少々先行きに不安が残る結果だったことは確かです。『さらにパワーアップしなければならない』と語った渡辺先生も気を引き締めていましたね」(競馬誌ライター)

 陣営が盛岡を使った理由には、「速い時計での決着」に対応することと、「左回り」の適性を確認したい意図があったと考えられる。負けはしなかったが、これまで見せてきたパフォーマンスより見劣ったことも間違いない。

 そしてもうひとつ心配なのは、ジャパンダートダービー(G1)でミックファイアが2馬身半差の2着に下したキリンジの惨敗だ。9月30日に阪神競馬場で行われたシリウスS(G3)に出走した同馬は4番人気の支持を集めたが、勝ったハギノアレグリアスの前に成す術もなく12着と敗れた。

 大目標として視野に入れているチャンピオンズC(G1)を前に同世代でトップクラスの馬が古馬に通用しなかったことは、ミックファイア陣営としても気になるところ。次走に予定しているJBCクラシック(G1)は地元の大井に戻ることは好材料。克服すべき課題は山積みかもしれないが、改めて無敗の三冠馬の強さを証明して欲しい。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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