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【秋華賞(G1)展望】三冠へ、大本命リバティアイランドの状態は? ローズS「日本レコード」4戦3勝マスクトディーヴァが急上昇

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リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 15日、京都競馬場では3歳牝馬三冠の最終戦、秋華賞(G1)が芝2000mを舞台に行われる。今年はリバティアイランドが史上7頭目の偉業達成なるかに注目が集まる。

 2020年デアリングタクト以来の快挙を狙うリバティアイランド(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)。最後の直線で前が壁になった昨年のアルテミスS(G3)こそ2着に敗れたが、その後はG1を3連勝中だ。

 昨年末の阪神ジュベナイルF(G1)では、1頭だけ2歳馬とは思えぬ走りで快勝。続く桜花賞(G1)こそ出遅れもあって後方からの競馬となったが、異次元の末脚で差し切ってみせた。さらに進化を見せつけたのが前走のオークス(G1)。桜花賞から一転、中団前目の6番手から危なげなく運び、最後は後続に6馬身もの差をつけている。

 レースを走るたびに評価を上げてきたリバティアイランドだが、6月上旬には早くも秋華賞への直行が決定。9月中旬にノーザンファームしがらきから栗東トレセンに帰厩した際には、オークスから50kg以上の馬体重増も話題になった。

 帰厩後は坂路とCWで追い切りを重ね、5日の時点で490kg台まで絞れているという。それでもオークスからは20kg以上プラス。ただ、見た目に太め感はまったくなく、そのほとんどが成長分だろう。

 栗東CW で行われた1週前追い切りでは、豪快なフットワークで、6ハロン81秒5-11秒0の好時計をマーク。牝馬三冠に加えて、アパパネ以来となる史上2頭目の2歳&3歳牝馬限定G1完全制覇も狙う。

 単勝オッズ1倍台前半の圧倒的人気が濃厚のリバティアイランドだが、これまで外回り、もしくは直線の長いコースしか経験がない。今回の舞台となる京都芝2000mは内回りで、最後の直線が328mと短い。絶対女王にとっては、これが唯一の懸念材料と言えるかもしれない。


 春のクラシックでリバティアイランドに屈した馬の中では、やはり桜花賞とオークスで2着だった2頭にチャンスがありそう。内回りコースで、前々をソツなく立ち回ることができれば、逆転の目が出てきてもおかしくない。

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 桜花賞で2着だったキタサンブラック産駒のコナコースト(牝3歳、栗東・清水久詞厩舎)。勝ち鞍は新馬戦のみだが、脚質的にコース替わりは好条件といえるだろう。

 春のチューリップ賞(G2)は6番人気で2着。続く桜花賞でも6番人気に留まったが2番手からの積極策で、リバティアイランドを3/4馬身差まで追い詰めた。もし桜花賞が阪神の内回りなら、粘り込んでいても全くおかしくない内容だったといえるだろう。

 しかし、クラシック2戦目のオークスは7着に敗退。桜花賞まで手綱を取っていた鮫島克駿騎手からD.レーン騎手への“鞍上強化”もあって3番人気に支持されたが、スタート直後のロスで後方からの競馬となり、持ち味を生かせなかった。

 秋はリバティアイランドと同様にトライアルを挟まずぶっつけでの参戦。今回は鞍上をコンビ通算「1-3-0-0」の鮫島駿騎手に戻し、帰厩後も順調そのものだ。1週前には同騎手を背に栗東CWコースで追われ、単走で6ハロン77秒1-11秒7の超抜時計をマークしている。

 春のリベンジを果たすためには、スタートを決めて距離ロスなく内目を立ち回り、早めに抜け出す桜花賞のような競馬が求められるだろう。


 ハーパー(牝3歳、栗東・友道康夫厩舎)もまた、オークスから直行での参戦となる。2月のクイーンC(G3)で重賞初制覇を果たすと、桜花賞は4着に敗れたが、オークスで2着と巻き返しに成功。春のG1で2戦続けて掲示板を確保したのはリバティアイランドと、この馬だけだった。

 ハーツクライ産駒のハーパーは、もともと2000m戦でデビューしたように距離適性は2000m以上だろう。2戦目からはマイルを走っていたが、オークスでパフォーマンスを上げたのがその証しといえる。

 オークス後には、騎乗したC.ルメール騎手が「今日はスタミナを見せてくれました」と話したように、瞬発力勝負では分が悪い。積極策で消耗戦に持ち込みたいところだろう。

 1週前追い切りには福永祐一技術調教師が跨って栗東CWで3頭併せを敢行。6ハロン82秒6-12秒0をマークして、最先着を果たしている。桜花賞から3戦連続でコンビを組むルメール騎手に打倒リバティアイランドの秘策はあるか。


 春の牝馬クラシック2戦で連対した3頭はいずれも4か月ぶりの実戦。近年はこれが秋華賞の王道ローテーションになっているが、もちろんトライアル経由の馬にも上位進出の可能性がある。

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マスクトディーヴァ 撮影:Ruriko.I

 今年のトライアル組で最も注目度が高いのは、デビューから4戦3勝のマスクトディーヴァ(牝3歳、栗東・辻野泰之厩舎)だろう。

 唯一の敗戦が2戦目の忘れな草賞(L)で7着。その後は6月に1勝クラスを勝ち上がると、ローズS(G2)で7番人気の低評価を覆した。同レースでは、中団から直線で外を鋭く伸びると、素質馬のブレイディヴェーグに完勝。1分43秒0の日本レコードをマークし、評価はうなぎのぼりだ。

 前走のレコード勝ちの反動は気になる面もあるが、1週前追い切りでは軽快な動きを披露。鞍上を務める岩田望来騎手には初のJRA・G1制覇が懸かる。

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モリアーナ 撮影:Ruriko.I

 西のトライアルを制したマスクトディーヴァに匹敵するインパクトある内容で東のトライアルを制したのがモリアーナ(牝3歳、美浦・武藤善則厩舎)だ。

 昨年の阪神JFではリバティアイランドに次ぐ2番人気に支持されたが12着に大敗。春は桜花賞を除外され、ニュージーランドT(G2)4着→NHKマイルC(G1)6着とマイル路線を歩んだ。

 そして迎えた秋初戦の紫苑S(G2)は、2ハロンの距離延長に懐疑的な見方もあって4番人気に留まった。レースでは後方集団からの競馬。中山開幕週の馬場で絶望的な位置取りと思われたが、4角14番手から直線一気の末脚で他馬を丸飲み。打倒リバティアイランドに名乗りを上げた。前走に続き、京都でも横山典弘マジックを披露することができるか。


 昨年の阪神JFでリバティアイランドの2着に好走したシンリョクカ(牝3歳、美浦・竹内正洋厩舎)は、府中牝馬S(G2)と秋華賞の両睨みだが、出走に踏み切れば侮れない1頭となる。

 二冠女王には3連敗を喫しているものの、桜花賞6着、オークス5着と大きくは崩れていない。オークスから直行になるが、美浦南Wで行われた1週前追い切りでは6ハロン82秒7で自己ベストを更新。父が長距離で活躍したサトノダイヤモンド、母がマイル~中距離で活躍したレイカーラなら、2000mはドンピシャの可能性もあるだろう。


 この他には15番人気のオークスで上がり2位の末脚を繰り出して3着に好走し、前走クイーンS(G3)で古馬を撃破したドゥーラ(牝3歳、栗東・高橋康之厩舎)、紫苑Sで2着のヒップホップソウル(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)、ローズS3着のマラキナイア(牝3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)などの伏兵陣も多彩だ。

 リバティアイランドが下馬評通りの実力で再びライバル勢を圧倒するのか、それともトリッキーなコースを生かした穴馬が女王の足をすくうのか……。注目の秋華賞は15日、15時40分に出走を予定している。

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