
ノーザンファーム系有力馬に「使い分け疑惑」が浮上…秋華賞(G1)リバティアイランドの牝馬三冠が濃厚も…「勝っても負けても使わない」は有言実行?

各部門のトライアルレースが終了し、秋のG1戦線に出走するメンバーも徐々に輪郭がハッキリしてきた。
今週末には秋の短距離王を決めるスプリンターズS(G1)が行われ、中休みを1週挟んで3歳世代のラスト一冠となる秋華賞(G1)、菊花賞(G1)がスタンバイ。そして10月29日の天皇賞・秋(G1)では、昨年の日本ダービー(G1)以来となるイクイノックスとドウデュースの直接対決が見られそうだ。
ドウデュース陣営によると秋古馬三冠の制覇を視野に入れているようで、イクイノックス陣営も天皇賞・秋の次にはジャパンCに出走を予定。こちらについては、おそらく報奨金交付対象レースのドバイシーマクラシック(G1)を勝っているからだろう。
体質的な弱さを認めている同馬の有馬記念(G1)への出走は期待薄かもしれないが、少なくともライバル2頭の対決が2度実現することは、競馬ファンにとっても朗報だ。
とはいえ、こちらについてはイクイノックスがシルクレーシング、ドウデュースがキーファーズの所有馬であることも大きいのではないか。
というのも、一般的にファンの多くがトップクラスの馬による最強馬決定戦を望むのに対し、一口馬主のような出資者たちにとっては、効率よく賞金を稼いでほしいという思惑もあるからだ。クラブ側としても出資者に利益をもたらすという優先度は高く、同じグループ内で「パイの取り合い」をすることは、できることなら避けたいはずである。
そういった傾向を耳にすることが珍しくないのが、いわゆるノーザンファーム系の代表的なクラブのシルクレーシング、サンデーレーシング、キャロットファームだ。
3年前のジャパンCでアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトといった三冠馬3頭による超豪華な対決が実現したものの、シルクレーシングのアーモンドアイに対し、コントレイルは前田晋二オーナー、デアリングタクトはノルマンディーサラブレッドレーシングの所有馬であり、ノーザンファーム系のクラブに所属していない馬だったことも大きい。
仮に3頭すべてがノーザンファーム系のクラブ所属馬だったなら、もしかしたら史上最強、空前絶後といわれた超豪華な最強対決は実現しなかった可能性もあった。
ノーザンファーム系有力馬に「使い分け疑惑」が浮上…
こういった傾向を踏まえた上で、少々気になったのは、先日のローズS(G2)で2着に好走したブレイディヴェーグの秋華賞回避である。
課題のゲートが決まらなかったため、後方からの追走となった中で、最後の直線で進路を見つけてからは出色の伸び。ほぼ直線だけの競馬でダメージは少なかったように思われたのだが、陣営からは「両前脚の歩様が少し硬く、疲れがあるのでエリザベス女王杯(G1)に目標を切り替えて調整します」と発表。リバティアイランド陣営としては、牝馬三冠を脅かす強力なライバルが1頭いなくなったことになる。
また、こちらについて真偽は定かではないものの、現場を知る記者から“使い分け”を勘繰る話も入ってきた。
「骨折などの明確な情報ではなく、“脚元の不安や疲れ”と言われてしまえば、第3者には確認のしようがありません。意地の悪い見方をするといつもの常套句ですよね。これで新興勢力はローズSを勝ったマスクトディーヴァのみ。こちらは社台ファームの生産馬なので順調なら使う方向ですが、いずれにしてもリバティアイランドの1強に変わりはありませんね。
ここだけの話ですが、ローズS前にブレイディヴェーグ陣営から勝っても負けても秋華賞は使わないといった話も出ていたようです。どちらもサンデーレーシングの所有馬で、管理する宮田敬介調教師は天栄の木實谷場長と同期の間柄ですから、戦前から話し合いができていたのかもしれません。天栄としがらきはライバル関係にありますが、結局はノーザンファームの傘下ですからね。同じようなケースで逆の立場なら、今度はしがらきサイドが空気を読むということもあるでしょう」(競馬記者)
勿論、記者が邪推をしているだけの可能性も捨て切れないが、一般のファン目線ではなく馬主サイドで考えてみると、それなりの説得力はある。例えば筆者も昔はよく競馬シミュレーションゲームをプレイした経験があるのだが、同等の能力を持った有力馬が複数いた場合、直接対決を避けて別のレースで使い分けることは日常茶飯事。リアルの競馬でも同じことが起きても不思議ではない。
ただ、純粋なイチファンとしては、このような使い分けが透けて見えない方が素直に応援できそうだ。
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